高齢者が多く入院する病院で発生したクラスターですが、感染症の専門家は、医療現場では患者と職員の濃厚接触は避けられないため、体調の異変にいち早く気付くことが重要だと話します。
(鹿児島大学大学院 西順一郎教授)「(指宿の病院は)医療療養型の病床で高齢者が多く、医療関係者と入院患者との接触が密接にならざるを得ない」
感染症が専門で鹿児島大学大学院の西順一郎教授は、療養型の病院では、排せつや食事の介助などの場面で、医療従事者と患者の濃厚接触は避けられないため、少しでも体調に異変がある場合は新型コロナの感染を疑い、仕事を休むなどの対応が必要と指摘します。
(西教授)「介護や医療の現場は、濃厚接触が前提。少しでも体調がおかしい入院患者がいたら、早めにコロナを疑うことが大事。体調が少しでも悪い場合は、休める体制をとる。(今回は)特定のクラスターでつながりは分かっているので、差別につながらないようお願いしたい」
一方、私たちが日常生活で体調を崩し病院を受診する場合、西教授は、外来で病院を受診すること自体を恐れる必要はないと話します。まずは病院に電話で相談することが大切と呼びかけます。
(西教授)「症状のある人は、医療機関は待つところを別にしたり、対応ができている。医療機関に行くことは危険ではない。コロナを疑うような発熱や呼吸器症状、下痢など症状がある場合は、まずは帰国者・接触者相談センターに電話してほしい。医療機関にも事前に電話して確認してから受診してほしい」
また、お盆期間中に県外の人と接触した場合は、お互いの体調について連絡を取り合い、いち早い検査につなげることが重要だと話します。
(西教授)「発症の2、3日前から感染の可能性があるので3日目、4日目にお互いに健康状態を確認して、症状がないのなら、最後にあった日までに、感染しているリスクはほとんどない。どちらかに症状が出た場合には、互いにそれを伝えることが大事」