鹿児島市のショーパブで発生したクラスター関連での新型コロナへの感染者は、8日に100人を超えました。
感染者の内訳を見ていきます。まず、今月1日に従業員から最初の感染が確認されました。翌2日には、同僚の従業員7人と従業員から感染した人の合わせて8人の感染が確認されました。3日には来店客だけで28人の感染が確認。
4日はさらに増えて、従業員から感染した2次感染者2人、さらに客19人と客からの2次感染者10人の、合わせて31人でした。5日から8日までの4日間は減少に転じていますが、従業員と客からの2次感染者からさらに感染する3次感染者も新たに確認されています。
わずか1週間で100人以上、確認されたクラスター関連の感染者。専門家は国内最大級のクラスターと分析しています。今後の見通しと感染防止対策について聞きました。
(鹿児島大学大学院 西順一郎教授)「国内のクラスターの中でも最大級の規模」
感染症が専門で鹿児島大学大学院の西順一郎教授は、今回クラスターが発生した原因の1つとしてショーパブという営業形態を指摘します。
(西教授)「歌を歌ったり笑ったりするのは、ものすごく飛沫が出るから、部屋中に細かい飛沫がひしめいていて、吸ってみんなが感染した」
1週間で100人以上確認された、ショーパブで発生したクラスター関連での感染者。今月5日以降は減少していますが、3次感染者も出ていることから、西教授は今後、4次感染者や別の場所で新たなクラスターが出ることを懸念しています。
(西教授)「今のところは患者数は減っているので、このまま収束していくことを願っているが、ここから4次感染や新たなクラスターが出てこないか注目しないといけない。新たなクラスターが出ると、もうひと波来る可能性があるので、食い止めることが必要」
今回のクラスターで感染者が急速に増えた理由の1つに、感染者の家族に感染が広まったことを可能性として挙げます。
(西教授)「今回のコロナウイルスの広がりが見られるのは家庭内。2、3次感染者の同居者は感染の可能性が高い」
西教授は日常生活で感染してしまう、いわゆる市中感染は起きていないとして、同居する家族などに感染を広めないためにも、マスクの着用や手洗いなど基本的な感染対策をこれからも続けることが重要と話します。
(西教授)「市中感染が鹿児島県で広がっている状況にないので、出かけた先ですぐ感染することは心配しなくて良い。ただ人が多い所や混み合う所ではマスクを着ける。近くで対話する時はマスクを着ける。こまめに手洗いするという基本的な感染対策を心がけてほしい。少し調子が悪い、熱が出る、せきが出るといった症状がある時は外出を控えることが基本」