今回の鹿児島県内4例目の新型コロナウイルス感染確認について、専門家は、症状がないことから感染を広げる可能性は低いとしています。一方で、感染者が責められることがあってはいけないと訴えます。
鹿児島大学大学院で感染症が専門の西順一郎教授は、感染が確認された生徒に症状がないことから、感染を広げる可能性は低いとしています。ただ、感染者と密閉された空間に長時間一緒に居たり、会食などをしたりするいわゆる濃厚接触があれば、注意が必要だとしています。
また一方で西教授は、今回の事態が生徒や学校への偏見や差別につながらないようにすることが大切だと話します。SNSでは、感染した生徒を責めるような書き込みが一部であったほか、ラ・サール学園にも苦情の電話があったということです。
姶良市でも先月26日、イギリスから帰国した鹿児島出身の40代の会社役員の女性が、新型コロナウイルスに感染が確認されて以降、根拠のないうわさや誤った情報が出回り、市長がホームページで風評被害防止を呼び掛ける事態になっています。
「この方(高校生)が感染して鹿児島に来たということは、今の移動時期でありますと、仕方のないことですね。学生さんを責めることをしてはなりません。
また学校の方も自主的に公表されていますので、患者さんの症状がなかったことや、寮で生活をしていたということから、周囲(の市民)への感染拡大はないということを示されたんだと思いますから、これは一定の評価ができると思います。患者さんへの差別や偏見につながらないように、みんなで見守ってほしいと思います」