屋久島では山の仕事に従事する者を「山師(やまし)」という。山師の中でも屋久杉を切る者たちは「伐倒師(ばっとうし)」と呼ばれた。
本田實(84)は、〝屋久島一の伐倒師〟。生涯で切った最大の杉は、直径8メートルを超える巨大杉。縄文杉より、はるかに大きいその木は、今も森の中に眠っている。
山師で息子の竜二(53)は、父の切った巨木を探しに「山師しか知らない森」に入る。
巨木を切る技の凄さ、数千年を生きた屋久杉の凄さ…そして、自然の偉大さ。巨木たちは、無言で問いかける。
山師親子の姿を通して、知られざる「もうひとつの屋久島」を描く。