スポーツの現場などで受傷したとき、病院や診療所にかかるまでの間、損傷部位の障害を最小限にとどめるために行う方法を「応急処置 (RICE 処置)」といいます。
患部の出血や腫脹、疼痛を防ぐことを目的に患肢や患部を安静(Rest) にし、氷で冷却(Icing)し、弾性包帯やテーピングで圧迫(Compression)し、患肢を挙上すること(Elevation)が基本です。
しかし、不適切な処置を行うと復帰までに時間がかかります。また、転倒などにより受傷した場合も同様で、症状を悪化させないためにも必要になります。
RICE処置の基本
必要なもの
- 氷
- ビニール袋
- アイスバッグ
- 弾力包帯
- 包帯(バンテージ)
- テーピングパッド
R:rest(安静)
- 目的)損傷部位の腫脹(はれ)や血管・神経の損傷を防ぐことが目的です。
- 方法)副子やテーピングにて、損傷部位を固定します。
I:ice(冷却)
- 目的)二次性の低酸素障害による細胞壊死と腫脹を抑えることが目的です。
- 方法)ビニール袋やアイスバッグに氷を入れて、患部を冷却します。15~20分冷却したら(患部の感覚が無くなったら)はずし、また痛みが出てきたら冷やします。アイスバスも効果的です。
C:compression(圧迫)
- 目的)患部の内出血や腫脹を防ぐことが目的です。
- 方法)スポンジやテーピングパッドを腫脹が予想される部位にあて、テーピングや弾性包帯で軽く圧迫気味に固定します。
E:elevation(挙上)
- 目的)腫脹を防ぐことと腫脹の軽減を図ることが目的です。
- 方法)損傷部位を心臓より高く挙げるようにします。
捻挫の場合(足部)
チェックPoint
- 腫れはありますか?
- 熱はありますか?
- 動かして痛いですか?
- 痛くて立ったり、歩いたりできますか?
→どれかに当てはまる場合は、RICE処置が必要です。
肉離れの場合(大腿部)
チェックPoint
- 腫れや熱はありますか?
- 押して痛みがありますか?
- 筋肉を伸ばして痛いですか?
- 力を入れて痛みますか?
協力
理学療法士 吉村ひかる
外来リハ士長 理学療法士 竹内 明禅