全国高校野球選手権は8月15日が大会9日目。県代表の神村学園が第1試合に登場し、中京大中京(愛知)を4対3で破り、3回戦進出を決めました。
初戦で8得点を挙げた神村学園。夏の甲子園で鹿児島県勢が未だ果たせていない、対愛知初勝利へ。甲子園最多勝利を誇る中京大中京と対戦しました。
両行は10年間、毎年練習試合をする間柄。神村学園の小田監督は「中京大中京に勝つこと」を「日本一」に並ぶ目標の1つに置いていました。
神村学園の先発は、1回戦で147球を投げ切った今村。2回までに3つの三振を奪う上々の立ち上がりを見せます。しかし、3回ウラ。先頭バッターにヒットで出塁を許すと、2アウトタイムリーヒットを打たれ先制を許します。さらに4回には、1アウト3・1塁からスクイズを決められリードを広げられます。
追いかける選手たちをスタンドから応援する吹奏楽部は、今月下旬にコンクールを控え、1回戦から半分以下の人数に。それでも、力強い演奏で背中を押し続けます。
クーリングタイム中「割り切ってベルト線のボールを思い切り振れ」と、指示を受けた神村ナイン。すると、クーリングタイム明けの6回表。神村は得点圏にランナーを置き、6番・上川床がセンター前へのタイムリーヒット。1点を返すと、8番・藤田の内野ゴロの間にランナーが帰り同点に。なおも、2アウト3塁のチャンスで、続く9番・今村がセンターへの逆転タイムリー。この回3点を挙げ、逆転に成功します。
勢いに乗った神村は9回表。2番・入耒田がストレートを捉え、ライトスタンドへと突き刺さる大会第5号のソロホームラン。「今までの野球人生の中でもいい感触で、驚いたしうれしかった」と語った入耒田の貴重な1発でリードを広げます。
最終回もマウンドに上がった今村。1点を失い、一打サヨナラのピンチを迎えますが、最後のバッターをレフトフライに打ち取り試合終了。4対3で逆転勝利の神村学園、3回戦進出です。
鹿児島はこの勝利で、夏5戦目にして対愛知初勝利。また、目標の一つを成し遂げ小田監督は「10年間かけて中京大中京に勝てたことがうれしい。選手たちに感謝の気持ちでいっぱいだし、泣かせてもらえて幸せ」と笑顔を見せました。
1回戦に続き、134球で完投した今村投手は「最後のアウトを取った瞬間とても嬉しかった。3失点以内に抑えられたのがよかった。応援してくれる人のためにも結果で恩返ししたい」と話しました。
3回戦進出を決めた神村学園は、17日(土)の第3試合で岡山学芸館と対戦します。