鹿児島県がまん延防止措置の解除を国へ要請したことについて、感染症の専門家は子どもたちの感染が増えている現状を指摘し、「気を緩めず、対策を続けてほしい」と話します。
(鹿児島大学大学院 西順一郎教授)「大人数での会食などが減って飲食店のクラスターがだいぶ少なくなったが、一方で、子どもたちにもオミクロン株は広がりやすくなっているので、小学校、特に保育所、幼稚園などでの広がりは、どうしても避けられないところがある」
感染者を年代別でみると、まん延防止の適用前の1月26日までの26日間で、24%だった20代の割合は1月27日の適用後から2日までは12%まで減少しました。
一方で、11%だった10歳未満の割合は18%に増えていて、子どもへの感染に拍車がかかっています。
(鹿児島大学大学院 西順一郎教授)「10歳未満の子どもたちが増えているのは、オミクロン株になって子どもたちも感染しやすくなったことを反映しているが、重症化している例や死亡例はないので、この状況は受け止めていかないといけない」
子どもへの感染をどう食い止めるか。今月からは、5歳から11歳までの子どもたちを対象にしたワクチン接種が本格化します。
西教授は、ワクチンの効果と副反応のバランスをよく考えて、接種を検討して欲しいと話します。
(鹿児島大学大学院 西順一郎教授)「ワクチンである程度、一時的だが効果も確認されてきている。熱が出る割合は、他のワクチンより高いが、一時的にだが、発症を防げるということを考えて。効果と副反応とのバランスで個々に考えてもらえたらと思う」
現在、県の警戒基準はレベル2で病床使用率は4割を切っていますが、人口10万人あたりの新規感染者数や療養者数など3つの指標ではレベル3相当となっていて、西教授は「感染対策を続けることが重要」と警戒を呼びかけます。
(鹿児島大学大学院 西順一郎教授)「新規感染者数は全く減少していないしむしろ増えている地域もみられているので、感染対策を緩めるわけにはいかない。特に高齢者施設、医療機関などでの集団感染は高齢者の死亡につながっている。重点的に予防する対策が必要だと思う」