「動物の名前がつく食べ物」
突然ですが、動物の名前がつく食べ物たくさんありますよね。牛丼や豚汁のように具材を表しているものもあれば、きつねうどん、たぬきそばのようにその動物が入っていないのに名前がついているものもあります。今回はそんな
「(その動物が入っていないけれど)動物の名前がつく食べ物」を名前の由来を含めてご紹介していきます。
きつねうどんとたぬきそば
一般的には、油揚を砂糖やみりん・しょうゆなどで甘辛く煮て、それをうどんにのせたものを「きつねうどん」といいます。名前の由来については、油揚げがきつねの好物とされていることや、油揚げがきつねの丸くなる姿に似ていることから「きつね」と呼ぶようになったなど様々な説があります。
また、揚げ玉いりのそばを「たぬきそば」といいます。そばやうどんの具のことを意味する「たね」や、天ぷらの「たね」を抜いた「たね抜き」が「たぬき」となったといわれていたり、衣の割りに中身が小さいかき揚げが「たぬき」と呼ばれていたためという説、こちらも様々な説があります。※関東にはきつねうどん(そば)たぬきそば(うどん)がありますが、関西にはきつねそば、たぬきうどんはないそうです。
ホットドッグ
細長いパンに切れ目を入れ、熱いソーセージやキャベツ、玉ねぎなど野菜を挟んだものです。味付けはマスタードやトマトケチャップ、そしてタマネギやピクルスを細かく刻んだレリッシュ、ザワークラウトなどをトッピングすることもあります。
なんと、ホットドッグ、名前の由来はアメリカ英語の「hot dog」。細長い形が犬のダックスフントに似ていることから、1900年ごろのアメリカの野球場では「レット・ホット・ダックスフント・ソーセージ」と呼ばれ販売されていたそうです。それから現在のホットドッグと呼ばれるようになったそうです。余談ですが、最近はホットドッグのパンのような犬用の洋服も売っていましたよ。
ソルティドッグとブルドッグ
ウォッカをベースにしてグレープフルーツジュースで割り、グラスの端にレモン汁と塩を付けた飲み物がソルティドッグ。ソルティドッグは船の乗り組員「甲板員(こうはんいん)」を意味するイギリスのスラングからきています。甲板員(こうはんいん)が甲板(かんぱん)の上で汗だらけ塩だらけになって働く様子からこの名前がついたそうです。
また、塩がついていないものをブルドッグと言いますが、ブルドッグは、しっぽが短いことから別名「テールレス・ドッグ」とも言われています」。英語では何かがないことを「ユースレス/役に立たない」などのように「~レス」と表現します。そこで、塩のないソルティドッグを「テールレス・ドッグ」と言うようになり、次第に「ブルドッグ」となりました。
ひよこまめ
ひよこまめは、鳥のくちばしのような突起があるひよこのような形をした豆です。ひよこまめのその形から名前がついたと一般的には言われています。英名は「ひよこ」を意味する”chick”にえんどうなど丸い豆を意味する”pea”を重ねたチックピーです。また、ひよこまめのラテン語の語源とするフランス語が、英語圏で転訛(てんか)あるいは勘違いから”chickpea”とされてしまったとする説もあるようです。(公益財団法人日本豆類協会HPより)
ハト麦
漢方などに用いられる食材です。植物の分類上は、麦というよりもトウモロコシに近い穀物だそうです。名前の由来についてはこちらも諸説ありますが、多くの量を収穫できることからその意味の「八斗(はっと)麦」、また鳩が好んで食べるのでハトムギと呼ばれるようになったとするのが一般的だそうです。
雀寿司
大阪や和歌山の名物 雀寿司(鮨)は小鯛や鮒を背開きにして、おなかの中にすし飯を詰めたものです。すし飯を詰めて膨らんだおなかやピンと張ったヒレの形が羽のように見えすずめに見えることからこの名前がついたと言われています。雀寿司の歴史は古く、江戸前期(1645年)の俳諧論書「毛吹草(けふきぐさ)」にも大阪名物として紹介されていました。
キジ焼き
焼きものの一つで、鶏などの肉や、かつお、ぶり、さばなどの魚の切り身などの材料をしょうゆ、みりん、酒で漬けて焼いたもののことです。
野鳥は古くから食用とされていましたが、室町時代から江戸時代まではキジは鳥類の中で美味とされ、そのキジを味わってみたいというところから生まれた 疑似料理が始まりといわれています。当時材料は、一般では魚、精進料理では豆腐が使われました。しょうゆの焼き目をキジを焼いたものに見立ててわざとつけることもあります。
くじらもち
東北の山形県や青森県の郷土菓子です。もちろんクジラは入っていません。もち米とうるち米の粉を水で練り、胡桃・砂糖水を加えて、せいろで蒸したもので、味噌・醤油味などがあります。起源は諸説ありますが、江戸時代頃、新庄藩の第3代 藩主戸沢正庸の時代に兵糧食として用いられたのがはじまり、新庄が発祥といわれています。名前の由来は昔は今のものより大きく、海のない地域では「くじら」を連想して名がついたという説や、保存がきくことから、久しく持つ良い餅「久持良餅」となったとの説などがあるようです。
いかがでしたか。普段何気なく目にしたり口にしたりしていたものも実はこんな歴史があったんです。来週の山口プロモーションはこのテーマにちょっと似ているあるお話をしようと思っています。来週もお楽しみに。