「魚卵」
クリスマスや年末年始の準備を考え始める時期ですね。この山口プロモーションでは「人気のクリスマスプレゼント」や「クリスマスソング」「年末年始の食事」「世界の年越し」などを取り上げてきました。今回は2017年12月30日の「年末年始の食事」からもっとディープに「かずのこ」そして、「魚卵」にスポットを当ててプロモートしていきます。
かずのこ
にしんの卵巣。ニシンは漢字で「二親」と当てることができ、さらに多くの卵を持つことから、「たくさんの子に恵まれますように」「我が家が代々栄えますように」との願いを込めおせち料理に使われています。かずのこという名前はニシンを「カド(もしくはカドイワシ)」と呼んでいて、「カドノコ」から「かずのこ」となりました。価格も高く見た目も黄金色をしていることから「黄色いダイヤ」とも呼ばれています。たしかに、お正月くらいしかなかなか食べられませんね。
いくら
サケやマスの卵巣をほぐしたもの。子宝に恵まれるようにと想いを込められ、こちらも地域によってはおせち料理にもなる縁起物です。すじことの違いは、こちらは卵を包む薄い卵巣膜を取りのぞき、産卵前の熟した卵をひとつぶひとつぶに分けたものという点です。いくらという名前はロシア語の「小さくてつぶつぶしたもの」。ロシアではキャビアなどを含めた魚卵はすべて「いくら」というそうです。
すじこ
いくらほど成熟していない卵を卵巣の状態のままバラさずに塩漬けや醤油漬けにしたもの。たしかに、すじこの方が粒が小さい気がしますね。サケやマスの漁獲量は北海道が1位、次いで岩手や青森、宮城などの東北・北陸が続いています。すじこのおにぎりが大好きでしたが、西日本ではあまり食さないようで、スーパーで見かけることはないですね。青森県の海の幸などを販売している弘前市のハマダ海産のHPによりますと「すじこは新生児。ぷにぷにしていて破れやすいので、柔らかい皮に包まれています。」「いくらはいわば首のすわった赤ちゃん。ひとりでも平気」なんだそうです。
ちなみに・・・
宮城県の小学校では「サケの一生」を学ぶ授業がありました。2年生で近くの川に遡上してきたサケの生態を学び、卵を受け取り、学校で孵化させ、少し大きくなった稚魚を放流します。そして5年生時に2年生と一緒にまた川に行き大きくなって戻ってきたサケを迎えるというものです。サケの稚魚は生まれてきたばかりの頃、お腹に養分たっぷりの卵がついていてかわいいですよ。
たらこ・明太子
どちらもスケソウダラ(スケトウダラ)の卵です。卵巣を塩漬けにしたもので、一般的には「たらこ」は塩漬けにした辛くないもの、「明太子」は調味液に漬けて辛味をつけたものです。名前の由来は「タラの子」で「たらこ」そして韓国では「タラ=明太(ミョンテ)」といい、その子どもだから「明太子」となったそうです。
とびこ・いそっこ・えびっこ・ししゃもっこ
とびこはトビウオの卵、いそっこ、えびっこ、ししゃもっこはとびこの代用品としてカラフトシシャモの卵を使ったもので塩漬けにされた魚卵です。(「とびっこ」は水産加工会社 かね徳の製品として商標登録されています)
少し珍しい魚卵
からすみ
ボラなどの卵巣を塩漬けしたもの。長崎県産のボラの卵を用いたものが有名ですが、香川県ではサワラやサバの卵が使われています。「うに・このわた(ナマコの腸の塩漬け)・からすみ」の日本三大珍味のひとつです。
キャビア
こちらは世界三大珍味「フォアグラ・キャビア・トリュフ」のひとつ。チョウザメなどの卵を塩漬けにしたものです。最近ではチョウザメのかわりにランプフィッシュの卵を使っているものもあります。「黒い宝石」ともいわれていますね。キャビアの本場はカスピ海、そしてロシア産のものが最高級と言われていますが、宮崎県日南市や鹿児島県伊佐市でも養殖がおこなわれています。
このほかにも、ハタハタの卵でネバネバしている「ぶりこ」(秋田などでよく食べられています。おいしいです)ヤナギダコの卵巣で細長い粒状の「たこまんま」(茹でると炊いたお米のように見えることからたこまんま)、マダコの卵巣で細長い粒が連なり藤の花のようにも見える明石市の名産 海藤花(かいとうげ)などもあります。
実は、「食用ではないが見た目が面白い魚卵」も調べていたので、
またの機会に紹介します!