与論町地域おこし協力隊の磯村愛子さんです。
福井県のご出身で、神戸市でインテリアデザイナーとして活躍された後に与論町へ移住。その後、地域おこし協力隊としてお仕事をしておられます。現在の活動内容をどのようなことをしてらっしゃるんですか。
はい。ふるさと留学制度や海洋教育のサポート、そして与論民俗村さんにご協力いただきながら、国の重要無形民俗文化財の与論島芭蕉布の製造工程を学んでいます。
その中で認知度アップに繋がればと考えて、与論島芭蕉布保存会の皆さんと一緒に、島内の方に向けたワークショップを行ったり、手に取りやすい芭蕉布を使った商品作りにも取り組んだりしています。
芭蕉布は、手触りがサラッとしていますよね。芭蕉布を使った商品というのはどのようなものがあるんですか。
今までだったら着物の反物だったりとか帯だったりっていうのを作られていたんですけれども、若い方にも手に取っていただけると嬉しいなっていうことで、今は小物類ですね。アクセサリーや名刺入れ、小さくて手に取りやすい商品を用意できたらと思って試作しています。
芭蕉布がより皆さんの身近に感じられるよう普及活動にも取り組んでらっしゃるんですね。
磯村さんは、地域おこし協力隊としては今年3月までなんですよね。今後はどのようにされたいと思っているのですか。
任期後も与論島芭蕉布の技術習得や、商品作りは継続していきたいと思っています。放課後児童指導員の研修なども終了したので、教育に関わるお仕事もできればなと考えています。
では与論の子どもたちが、ますます自分たちの住む島のことを好きになってもらうように力を注ぐということなんですね。
与論町海洋教育というのはどのようなものなのですか。
授業で言うと、与論町の漁協などに講師になっていただいて、サンゴの増殖体験だったり観察を行ったり、イーヨロンさん、海謝美(うんじゃみ)さんという一般社団法人とかボランティアの団体の方を講師に迎えて、海ゴミについて勉強して、実際に漂着ゴミの回収に子どもたちが参加するといった授業しています。
どれも海に囲まれた与論について考える良い機会になっていると思っていますし、先生方はもちろん地域の方の力も借りながら、海洋教育を通して、子どもたちが島立ち(島を出た)後に、必要となる力を身に付けてもらえればと考えています。
自分たちのルーツを知ったりとか誇りに思ったりとか、課題を見つけてそれを解決できるような力を外で身につけていったりとか、いろんな思いが詰まっています。
この時代を生きていく上で、豊かさというのはどのようなことだと思ってらっしゃいますか。
芭蕉布製造技術を教えていただく中で感じたことなんですけれども、大人になってから学んだり考えたりする時間というのが、とても豊かな時間だなと思っています。
調べたりしたらすぐに答えが分かる時代なので、教えていただける方と作業しながら工程を学んだりとか、試行錯誤しながら自分なりに解釈とか、改善していく工程はとっても新鮮だなって感じています。