「16年」の空白を埋める戦い見せるも決勝進出ならず 神村学園 全国高校サッカー選手権
全国高校サッカー選手権大会の準決勝で、神村学園はPK戦の末、惜しくも敗れました。
高校サッカーの聖地・国立競技場に戻って来た「全国高校サッカー選手権大会」。
鹿児島県代表で6年連続10回目の出場となった神村学園は、初出場でベスト4に進出した2006年度の85回大会以来、16年振りに「国立」のピッチに立ちました。
対するは、2年連続5度目の出場の岡山学芸館で、共に初の決勝進出を掛けた戦いとなります。
試合は立ち上がりから動きます。
前半6分、クリアボールを相手に拾われた後、左サイドのクロスボールから先制を許した神村学園。
この試合も2・3回戦・準々決勝に続き追いかける展開になりましたが選手たちに焦りはなく、ボールを保持する時間を長くし、自分たちの持ち味を出し続けます。すると前半38分。卒業後「直」でドイツリーグ・ボルシアMGに加入するエースの福田がクロスボールを中央で受けて左サイドに流すと金城が強いシュート。相手GKがはじいた所に福田が詰めて同点に追いつき、試合を折り返します。
後半も、立ち上がりから両チームが持ち味を生かしたプレーを見せる中、14分のフリーキックのチャンスには、J1セレッソ大阪に内定しているキャプテンの大迫が直接決めて逆転に成功。3試合連続で試合をひっくり返す強さを見せますが、その3分後には左サイドを崩され同点に追いつかれます。
打ち合いの様相となった試合で、神村は後半24分に、大迫の右サイドからのコーナーキックに中央でディフェンダーで長身の中江が頭で合わせて再び勝ち越し。しかし4分後に再び追いつかれるという難しい展開となり、3対3の同点で試合はPK戦に突入します。
神村学園史上「初」の決勝進出を掛けたPK戦。
一人目の大迫は決めますが、今大会2得点とチームをけん引したひとり2年生の西丸、更にはエース福田が立て続けに失敗。4人目まで確実に決めた岡山学芸館がPK戦で勝利。2度も勝ち越す粘り強さを見せた神村学園でしたが、決勝進出はなりませんでした。
試合後の会見で有川圭一郎監督は「この3年生たちが、苦しい時期でもチーム引っ張って、国立の舞台まで勝ち上がってきたのは素晴らしいことだと思います。ただそれでも勝ち切れなかったことは来年に生かしていかないといけない。きょうもらったブロンズのメダルを、シルバーにもゴールドにもすることができる選手たちですから。」と「16年」の時を経てつかんだものを、噛みしめるように語りました。
また大迫塁キャプテンは「国立を目標にしてきていたので、楽しかったです。このチームは解散ですがこの経験をそれぞれの道で生かしてもらいたいと思います。1・2年生は力があるので、優勝の夢は彼らがやってくれると思います。頑張って!と声を掛けます。」と、清々しい表情で話してくれました。