「新時代」の幕開け 「熱況!ユナイテッド」取材コラム(4)
鹿児島ユナイテッドFCの「いま」を、お伝えしている「熱況!ユナイテッド」。
J2に昇格した2019シーズンは、取材担当アナウンサーの松木圭介が感じたことを、取材日記・コラムとして、ホームページ上でご紹介します。
「桜の花が散ってしまうのでは?」と、思わず心配になるほど冷たい風が吹いた4月1日。
練習後のベンチから、選手たちの明るい声が聞こえてきた。声の主は、田上裕・永畑祐樹・西岡謙太・冨成慎司選手。気になって耳を傾けると…。
「何になったの? 令和(れいわ)だって。」
選手たちも気にしていたのだ、新しい元号を。
発表予定時刻は練習中のタイミングで、選手たちは練習が終わってから耳にしたのだ。予想と違った…とか、しっくりくるのかな?…とか、うちの祖母は4つの時代を生きることになる…だとか、それぞれが新元号について話をしている中で、気付いた。
「米澤令衣の『令』だよ。」
そうなのだ。米澤選手の名前の1文字が使われているのだ。後から分かったことだが、今年登録されているJリーガーで新元号に使われた「令」の文字が使われているのは米澤選手ただ一人。これには本当に驚いた。
そして、会話の輪に向かって米澤選手が歩いてくる、ちょっと恥ずかしそうに。
「おれの時代がきた!」
米澤選手の一言に、みんなが笑顔になると同時に、ツッコミが入る!
「まだ点数とってないじゃん!」 「この間、一対一を外したよね?」
得点力が課題のチームらしいツッコミだ…と変に納得しながら、ひょっとして5試合ぶりの得点を生み出すのは米澤選手になるのか?と、ドラマの台本を頭に描く自分がいた。そして、この人も―。
「宜しくお願いします。頼むよ!」
金鍾成監督も同じことを思ったのかは定かではないが、そのチームの雰囲気に、新チームスタート直後の固さはなく、色々な面でチームが一つになっているのを感じた。
いよいよ、チーム史上初の平日ナイターが迫ってきた。
4月3日・水曜日、午後7時キックオフのツエーゲン金沢戦は、「温泉地対決」でもある。
開幕戦以来、6試合ぶりの白星と5試合ぶりの得点を生み、J2に昇格したユナイテッドFCが迎える初の平日ナイター=「新時代」の幕上げを告げるのが米澤令衣選手になるのかにも注目だ。
【桜の花が綺麗に咲く、鹿児島市の健康の森公園で。 松木圭介】