薩摩の教え

西郷南洲遺訓 第9条「洋の東西を問わず、人間として大切なこと」

明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さんと共に学んでいるこの番組。今月から、西郷さんが遺した教え、「西郷南洲遺訓」をご紹介しています。

この遺訓集、本文が41条、そして追加で2条、さらに問答集などを加えて、全部で53項目からなりますが、その内容は、人としてあるべき姿、教育の大切さ、政治や外交にあたっての心構え…など、多岐にわたっています。

原文は昔の文体で書かれており、耳で聞いて理解するには少し難しいので、この番組では、南日本新聞社の桑畑正樹さんがお書きになられた「西郷南洲遺訓」をもとに、現代語訳でお伝えしています。

今日は、第9条「洋の東西を問わず、人間として大切なこと」です。


よく国に仕えること、

親を大事にすること、

他人に対して恵み、いつくしむ心を若者に教えていく教育は、

政治の基本であり、未来永遠に、全世界共通に、なくてはならない大事な道理である。

道というものは、天地自然のもの、あるがままのもの。

これは、洋の東西を問わず、決して区別はないものである。


儒教では「忠」、「孝」、「仁」、「愛」というのが、昔から道徳の基本でした。

  • 忠は忠義の忠。君主、国に仕えることを意味します。
  • 孝は親に尽くすという意味。
  • 仁は仁義の仁と書き、全てのものに対する慈しみを意味します。
  • 愛は愛情です。

君主や国に仕えるというのは、今の時代ですと、社会や公に対して自分の責務を果たしなさいという解釈に置き換えてもいいかと思います。

人にとって、道徳・モラルを養っていくことが大切だと西郷さんは言っています。
東洋人でも西洋人でも、人間失格で、それを教えることが社会にとって大事だと西郷さんは伝えたかったんですね。

人として当たり前の事を言っているように感じますが、その当たり前がなかなか出来ないからこそ、時代を経ても胸に響く教えだなと思います。

来週も、西郷南洲遺訓から、西郷さんの教えをご紹介して行きます。

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