薩摩の教え

西郷南洲遺訓 第8条「むやみに外国の真似をしてはならない」

明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さんと共に学んでいるこの番組。今月から、西郷さんが遺した教え、「西郷南洲遺訓」をご紹介しています。

今日は、第8条「むやみに外国の真似をしてはならない」という教えです。


新しい国を作るに際し、
広く諸外国の制度を取り入れ、文明開化を推し進めようとするならば、
まずわが国の本分をわきまえ、道徳の教えをしっかりと強化し、
その上で、ゆっくりと諸外国の長所を取り入れるべきである。

そうではなく、ただむやみに外国の真似をし、見習うとしたら、
日本の国は弱体化し、日本人の美徳が失われ、
道徳も乱れて、救いがたい状況になってしまう。

最終的には、国家としての独立を失い、
西欧列強の支配を受けることになってしまうであろう。


明治時代、いかに海外に目を向けていたかが分かりますよね。
文明開化の流れが急激で、西欧からの科学技術・思想・衣服や生活スタイルなど、あらゆることが「西洋では当たり前」として持ち込まれました。そしてそのマネをすることが時代の風潮だったんですね。

しかし西郷さんは、その際に「日本人の良いところを忘れてはいけない」と言っています。
西郷さんが仕えた島津斉彬も海外の技術を積極的に取り入れていました。西郷さんも維新後、西洋の思想書を多く取り寄せ読んでいたことも知られています。

しかし、それらを取り入れるあまり、日本人の道徳心や良さを失ってはいけないと釘を刺しているんですね。私はこの西郷さんの考え方自体が日本人らしく、芯が通った内容だなと感じます。

例えば、人が成功した事例に倣って、そのやり方を同じように模倣しても何故かうまくいかないことって多いですよね。それは、その人自身が自分に合ったやり方を見つけたから。
ということは、自分自身の良さを損なわないよう、軸がぶれないようにした上で吸収しなければならないなと感じます。

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