明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さんと共に学んでいるこの番組。今週から『西郷南洲遺訓』の中身をご紹介しています。
今日は第2条「組織を運営するに当たって必要なビジョン」についてです。
政権が一つになって国としての安定した制度ができていなければ、
たとえ人材を用い、発言できる場を開いて、多くの人の意見を取り入れたとしても、
取捨選択の方針の判断基準がなく、仕事が雑になってしまう。
これでは、成功するはずがない。
昨日出された命令が、今日にはまたすぐに変更されてしまうという朝令暮改もだめだ。
皆バラバラでまとまることがなく、政治を行う方針が一つに決まっていないからである。
これも物事を進めていく中での根本的な考えですね。
仕事や学業で忙しい毎日を送っていると、どうしても目先のことに集中して、これがいったい何のためにあるのか。クリアすれば何が身につくのかということを忘れがちな気がします。
西郷さんは政治について指摘していますが、仕事や学業についても共通だと思います。
大きな方向性を予めちゃんと決めておきなさいということなんですね。
基本方針がなく、場当たり的に物事を進めていけば、どこかで矛盾や破綻が引き起こされてしまう。
だからこそ大きな判断基準を最初に決めておくことが大切なんだ、と西郷さんは言っているのかもしれません。
大変難しいことかもしれませんが、組織のリーダーは、大局を見て判断することが大切なんだと感じます。
昨日は組織の上に立つ人の心構えについてご紹介しましたが、今日の内容も通ずる部分があるなと感じました。明日は、西郷南洲遺訓・第3条をお送りします。