明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さんと共に学んでいるこの番組。今週も、西郷さんが遺した教え、「西郷南洲遺訓」から紹介しています。
今日は、第41条「常に備えを怠ってはならない」という教えです。
修行して心を正して、君子の体を備えても、事にあたる際、
その処理に臨機応変に対応出来ない人は、まるで木で作った人形と同じである。
例えば、急に数十人の来客があった場合、どんなに接待しようと思っても、
食器や道具の準備ができていなければ、ただおろおろと心配するだけで、
接待のしようもないであろう。
いつも道具の準備があれば、たとえ何人であろうと、数に応じて接待することができる。
それゆえ、普段からの備えは何よりも大切なことなのである。
そして西郷さんは次のような昔の人の言葉を書いてよこしたそうです。
「学問というものは、ただ文筆の技術を言うのではなく、どんなことに当たっても切り抜ける判断力を身につけることである。
武道というものは、剣や盾をうまく使いこなす技術を言うのではなく、どんな戦いにおいても、敵を知ってこれに対処する知恵を身につけることである。
こういう才能と知恵は、ただ心の中に一つにまとまっていなければならない」と。
明日は、西郷南洲遺訓・追加の1条をお送りします。