伊佐市 トビの巣立ち

伊佐市大口の鳥巣地区に住む井上悦男さん(82)が所有する山林を伐採するため、業者に依頼し、作業を進めていたところ、1本の木にトビの巣があることがわかりました。

(井上さん)「近くに行ってから、初めてこの木にあるんだと」

巣にはトビの子どもが1羽。親鳥が近くを飛び回りながら見守っています。井上さん、トビの子どもの巣立ちを見守るため、この木だけ残すことに。

雨にも負けず、風にも負けず、枝にしっかりつかまって翼を広げる様子も見せ、いよいよ巣立ちも近そうです。そして、3日後…。

風にのって飛び立ちました。見守っていた井上さんもほっとした表情を見せました。

(井上さん)「巣から飛び立ってしまえば、寂しい感じはしますよね。また来年ここに来て、巣を作るのであれば残してもらっておいてもいいんだけど」

子どものトビが飛び去り、空っぽになった巣ですが、井上さんはまたいつか戻ってくることを願い、この1本の木だけ残すことにしたということです。

撮影は、阿久根市のMBCふるさと特派員・赤木仁一さんでした。