明治元年12月10日 新政府 医学校設立について検討
きょうは明治元(1868)年12月10日です。東京では医学校設立について、新政府とイギリスが検討を進めています。
東京・下谷には新政府の軍陣病院があり、イギリス医師ジョセフ・シッドールが責任者を務めています。
シッドールは、日本人医師を指導し、外科手術や包帯、輸入薬の使い方などを教えていますがまもなく公使館付の医師として呼び戻される予定です。
後任の人事が懸案となる中、イギリスの外交官アーネスト・サトウや薩摩藩の医師石神良策らが今後の病院と医師教育のあり方について話し合いを持ちました。
サトウは、シッドールの後任について、ウィリアム・ウィリスを推薦し、「新政府首脳の東久世通禧から依頼するのが良い」と助言しました。
ウィリスは、旧幕府軍との戦いで、新政府からの要請を受け、負傷兵の治療にあたったイギリス人医師です。
東北・北越諸藩との戦いでは、新政府を説得し、会津など敵側を含めた負傷兵の治療を認めさせました。新政府は近く医学校を設け、ウィリスに責任者に就くよう正式に依頼する方針です。