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慶応4年1月19日 国内状況をめぐる諸外国の駆け引き

きょうは慶応4(1868)年1月19日です。フランス公使のレオン・ロッシュは、前将軍・徳川慶喜に対し、新政府を倒す再挙をうながしました。

フランス公使ロッシュは、薩摩や長州を支援するイギリスに対抗し、幕府を支援してきました。

フランスは、横須賀造船所の整備や幕府軍の訓練を行い、慶喜と緊密な関係にあります。
鳥羽・伏見の戦いに敗れた慶喜は、新政府に逆らわない意向を示していますがロッシュは、きょう(19日)慶喜と面会して、再起を促し、新政府に対抗するなら、資金面で協力すると述べました。

イギリスに近い薩摩・長州中心の新政府が支配を確立すれば、フランスの影響力が低下し、日本・アジア貿易でイギリスに遅れをとるという懸念があるとみられます。

しかし、慶喜は徳川家存続のため朝廷に恭順する姿勢を示していて、ロッシュの申し出を拒否したということです。一方、豪商の三井・島田・小野は、新政府に金1万両をさし出しました。

新政府の支配が、今後、磐石となることを見越した動きです。鳥羽・伏見の戦いと慶喜の降伏による情勢の変化を、外国と経済界は敏感に感じ取っているようです。