慶応4年7月13日 彰義隊・天野八郎 補縛
5月の上野戦争で新政府軍と戦った彰義隊の指導者、天野八郎が江戸で捕らえられました。
旧幕臣の天野八郎は、5月の上野戦争で彰義隊を率い、新政府軍と戦いましたが、1日で敗北。
江戸の本所石原町の炭屋に潜伏を続け、再起の機会をうかがっていました。しかし、けさ、彰義隊士の1人と朝食をとりながら次の潜伏先を相談していたところ、刀を抜いた兵士5~6人に踏み込まれました。
外では鉄砲を持った兵、およそ70人が包囲していて、天野は捕らえられ、牢に入れられました。
天野の潜伏先が漏れたのは、牢にいた彰義隊士が、同じ牢の僧侶から、『自分はもうすぐ出られるが、出獄したらすぐに天野の仲間に入りたい』と言われ、口をすべらせたためでした。この僧侶は、聞き出した潜伏先をすぐに新政府に密告し、その褒美として出獄したということです。