春分の日は“春の嵐”に…3月観測史上最大の強風も「何もかも飛ばされる、寒い」

春分の日の20日、鹿児島県内は風が強まり、3月としては観測史上最大の風を観測したところもありました。この「春の嵐」で、被害や交通への影響も広がっています。

鹿児島市の天文館です。祝日とあって多くの買い物客らが行き交う中、街では木々やのぼり旗が風で大きく揺れていました。

「街なかはもう少し穏やかと思ったが、風がすごい」

20日に観測された最大瞬間風速は、種子島で27.8メートル、肝付町で27.2メートル、鹿児島市でも24.4メートルと、3月としては観測史上最大の風を観測したところもありました。

北寄りの冷たい風で日中も気温があまり上がらない中、焼いも店には列ができていました。

(買いに来た人)「寒い、風が強いので(Q.やきいも買ってたけど寒いから?)寒いからでもあるし、おいしいから」

(やきいも店)「きょうは風も強くて肌寒い。寒い時期にはよく売れるので、きょうも売れている」

こちらは鹿児島市犬迫町の都市農業センターです。23万本の菜の花が咲いていますが、一部は強風で倒れてしまっています。そんな中、真新しいランドセル姿で写真を撮る親子連れの姿がありました。

(姶良市から)
(息子)「鼻水がいっぱい出る」

(母親)「寒いね」「こんなに風が強いと思わなかったが、記念に写真をたくさん撮れたので、この風もいい思い出」

(父親)「(娘も)あたたかくはしてきたけど、写真撮る時は、かわいいオシャレな薄着。嫌々しながらも頑張って撮ってくれている」

菜の花畑の隣にある市民農園では、強風の中、苗の手入れをする人も。

Q.この風は作業には影響ある?
(鹿児島市から)「全然だめ。何もかも飛ばされるし、寒い」

一方で、強風による被害や影響も出ています。鹿屋市東原町では、農業用ハウス3棟のうち1棟が、強風で骨組みが曲がっていました。

鹿児島空港では、風にあおられた航空機が、機体を左右に揺らしながら着陸していました。20日は強風の影響で、鹿児島と離島を結ぶ便を中心に14便が欠航しました。

強風の影響で海上はしけとなり、海の便も甑島、山川・根占航路の全便と、種子屋久航路のほとんどの便、奄美航路の一部が欠航となりました。

また、県内のJR在来線と肥薩おれんじ鉄道では、木や竹が線路などに倒れかかるなどして、運転の見合わせが相次ぎました。

「風強いと思ったけど、まさか電車まで止まっているとは」

現在、県内全域に強風注意報が発表されていて、20日夜にかけて注意が必要です。

警察によりますと、車のドアを開けた際に、ドアが風にあおられて勢いよく開いて隣の車などにぶつかるケースが相次いでいます。鹿児島市内では、20日これまでに40件ほど起きているということです。

夜にかけて強風が続く見込みなので、引き続きご注意ください。