JAC新人CA奮闘中!9年ぶり採用で初の与論島出身者「島のファンを増やしたい」(2023年5月25日放送)
鹿児島を拠点に離島便などを運航するJAC・日本エアコミューターに、この春、9年ぶりに客室乗務員の新入社員が入社しました。デビューに向けた訓練に密着しました。
少し緊張した様子で機内アナウンスをする、客室乗務員。この春、JAC=日本エアコミューターに9年ぶりに入社した新人です。
JACが運航するのは鹿児島空港を拠点に県内7つの離島のほか、大阪や福岡など21路線。JALグループの路線再編などで、2014年には22機あった機体現在は11機に。さらに新型コロナの影響も重なり採用を控えていましたが、この春、9年ぶりに客室乗務員として4人が入社しました。
与論島出身の阿野真子さん、25歳。与論出身の客室乗務員は1983年のJAC設立以来、初めてです。
(阿野さん)「いつ帰っても色んな方がおかえり、おかえりと温かい言葉をかけてくれるところが(与論の)良いところ」
小学生のころから客室乗務員になるのが夢でした。きっかけは、幼いころに妹と祖母と旅行した時に出会ったJACの客室乗務員です。
(阿野さん)「旅慣れない3人をサポートしてもらったことがきっかけで。今でも顔が浮かぶくらい、寄り添ってくださるのが子どもながらに感じられる方だった」
阿野さんは与論高校を卒業後、県内の短大に進学。就活時にはJACの募集がなく、羽田空港や与論空港の地上スタッフとして働きました。空への憧れを諦めきれない中、今回9年ぶりに行われた試験で採用されました。
(阿野さん)「見学フライトで与論空港に行ったんですが、その際に島の方々が声をかけてくれて。頑張ってねとエールをいただいたので、いつも励まされているなと思う」
新人たちは、接客や緊急時の対応などをおよそ3か月かけて学びます。
こちらは、機内アナウンスの訓練。正しい情報を乗客に分かりやすく伝えなければなりません。
(阿野さん)「抑揚をつけて読むなどポイントが多いのでむずかしい」
先輩の指導にも熱が入ります。
(教官の指導)「皆様ぁ、伸びてる。設定するかぁ、全部(語尾が)伸びてる」
(阿野さん)「むずかしい」
(教官 客室乗務員・大平未理さん)「当社の客室乗務員は1人乗務なので、最後の砦になる。笑顔の裏にはしっかりとした知識やスキルが求められる」
実際の飛行機を使っての実技訓練では、あらゆる状況での対応を実践形式で学びます。離陸前、非常口近くに座る乗客への声掛けでは。
(阿野さん)「手荷物は緊急脱出の際の妨げとなってしまう場合がございますので、上の棚への収納をご協力いただけませんでしょうか」
(客役)「手元に持っておきたい」
(阿野さん)「貴重品などは手元に置いていただいて、その他の荷物は上の棚への収納をご協力いただけませんでしょうか」
(客役)「どうしてもできない」
(阿野さん)「後ろの座席が空いているので変更も可能ですが」
(客役)「わかりました」
なんとか、納得してもらい案内することに成功、と思いきや。
(教官)「席を移動する際は、頭上にお気をつけくださいなどのお声がけをしたほうがケガをしない」
乗客の安全を守ると同時に、最後まで細やかな気配りが求められます。
(阿野さん)「きょうは1度目で忘れてしまったところがあったので60点くらい。緊張しやすいタイプで、そこが不安点。私の場合はひたすら練習を重ねるしかない」
訓練の合間も同期と自主練習を繰り返します。
(同期の鬼塚陽さん)「(阿野さんは)おっとりしているが、一番みんなのまとめ役。同じ年だが尊敬している」
(阿野さん)「失敗してしまうと頭が真っ白ということも多いですが、あとから同期が『きょうのここは良かったよ』とかアドバイスをくれるので、同期あっての訓練だなと」
仲間と切磋琢磨する日々。来月下旬には訓練を終え、それぞれ一人立ちを迎えます。
(阿野さん)「もし地元の与論便に乗務することがあれば、『与論はこういうところです』といったPRも行えたら。私自身を通じて与論のファンになったと言っていただけるお客様が増えるよう、常に笑顔で頑張りたい」
離島から、憧れ続けた大空へ。ふるさとへ思いを胸に、新人CAが羽ばたきます。