過去最多1517人 専門家「重症や死者は減 感染者数だけ注目せず対策継続を」
鹿児島県で新型コロナの1日の感染者が1000人を超えたことについて、感染症の専門家は「子どもを中心に感染が広がっているが、重症者や死者は減っており、冷静に受け止めてほしい」と話します。
(鹿児島大学大学院・西順一郎教授)
「子どもたちを中心に感染がかなり広がっている。(子どもは)免疫がないので、インフルエンザが広がるのと同じように子どもたちに広がるのはやむを得ない」
感染者のうち10歳未満が占める割合は、第6波が始まった今年1月は11.6%でしたが、先月は22.7%と倍近くに増えています。
感染症が専門の鹿児島大学大学院・西順一郎教授は、「5歳未満の子どもへのワクチンがないことなどから感染が広がっているが、子どもにとってはインフルエンザより重症にはならず、死者もほとんどいない」としたうえで、「感染者の数よりも、高齢者などの重症化や死者の数が重要」と話します。
(西順一郎教授)
「去年と比べて重症化や死亡がかなり少なくなってきて、あまり数に左右されるような感染症ではなくなってきた。全体の数よりも、病床のひっ迫具合や重症者の数、死亡者の数に注目してもらいたい」
県内では今月10日時点で、あわせて1073人が医療機関や宿泊施設での療養や自宅待機をしていて、そのうち重症者はいません。
西教授は、「経済に影響するような行動制限をかける必要はない」とする一方で、「重症化しやすい高齢者などへ感染を広げないことが大切」とし、ワクチン接種や基本的な感染対策を継続する、1人1人の意識が必要だと話します。
(西順一郎教授)
「高齢者への広がりをなるべく防ぐというところに重点を置くことが重要。行動制限をしないで感染を防ぐにはワクチンしかない。
秋にはオミクロン株に対応したワクチンが新たに出てくる。それまでは可能な対策を個々にとっていく。症状が少しでもあったら人と会うのを控える。若い人も、そうでない人もそれだけは守ってもらいたい」