鹿児島市で先月中旬以降クラスター発表なし 理由は…

新型コロナの感染者は今年、鹿児島県内では7日までに1万1622人が発表されていて、その半分ほどが鹿児島市です。一方、先月から7日までに発表されたクラスター33件のうち、鹿児島市は6件のみで、先月17日を最後に発表はありません。
感染者が多い鹿児島市でなぜクラスター発表が少ない状態が続いているのか?そこには感染者の行動歴を調べる期間を短くするという、調査方法の見直しがありました。

鹿児島市では、先月17日に5つが同時に発表されたのを最後にクラスターの発表はありません。しかし、市内では感染者が多い状態が続いています。なぜクラスターの発表がないのか?取材に対し、市が要因として挙げたのが感染者の行動歴の調査期間の見直しです。

県は、いつ、誰と会ったかなどの感染者の行動歴を発症前14日間分を調べています。鹿児島市も以前は同じでしたが、先月中旬から発症前2日間に短縮しました。14日間の行動歴調査は「誰から感染したか」という感染経路を特定しやすいといいます。

一方、2日間の調査では感染経路を特定しクラスターとして認定することは難しくなるものの、潜伏期間が従来のウイルスより短いオミクロンであれば、「感染させた可能性がある接触者」が分かるといいます。

感染者が爆発的に増える中で、限られた人員をどのように振り分けるのか?その課題に直面した市は、「感染経路の特定よりも、検査が必要な接触者を洗い出すことに力を入れることが重要」と判断し、期間短縮を決めたとしています。

およそ100人態勢で感染者への電話での聞き取りや検査の手配などの業務を行っていて、調査期間の短縮後、新たなクラスターが認定されたケースはなくなりましたが、聞き取りができる感染者の数は増え、その分、感染拡大防止に力を割くことができているとしています。

一方、県は「クラスターの発表は感染が広がりやすい状況を伝え啓発につながる」として、14日間の調査を続ける方針です。