感染者増える種子島 医療に影響も

種子島でも新型コロナウイルス感染者の増加が続いています。離島だけに対応できる病床も医療従事者も限られる中、影響も出始めています。

9日に西之表市で行われたPCR検査の様子です。9日だけで感染者の接触者などおよそ80人が検査を受けたといいます。

島内では先月下旬から感染者が増え始め、8日は西之表市で1日としては最多の8人の感染を確認。今月に入って感染者の累計は島内全体で26人に上っています。

病床のひっ迫に危機感を示すのは、島内に2つしかない総合病院のひとつ、種子島医療センターの理事長で、熊毛地区医師会の田上寛容会長です。
種子島でコロナ病床があるのは、種子島医療センターと公立種子島病院のあわせて8床だけです。今月に入り満床状態が続き、鹿児島市の病院に患者を搬送せざるを得ない状況です。

(田上会長)「8月に入って15人を島外に搬送。若い方、10~40代がかなり多い」

また、医療現場では人手不足にも直面しているといいます。

(田上会長)「(コロナ治療に)スタッフがかなりとられ、通常診療にかなりの影響が出る状況。もともと医療資源が少ない島なので、ほぼ休みなくみんな勤務している」

種子島医療センターでは、医師不足を補うために島外から定期的に医師を招いて診療にあたっています。しかし、島外からの感染を防ぐため、10日から13日まで島外の医師が行う診察を休診することから、コロナ以外の診療にも影響が及んでいます。そんな中迎えるお盆休み…。

(田上会長)「お盆が近づき、島への往来が激しくなるのが心配。どのくらい感染者が出るか」

島内の医療関係者が「鹿児島市でも病床がひっ迫すれば、種子島の患者の行き場が無くなる」と危機感を募らせる中、田上会長は、島外からの来島自粛や感染対策の徹底を呼びかけます。

(田上会長)「島内の医療従事者は必死に頑張っているが、来島する方や島民の(感染対策への)協力をぜひお願いしたい」