新型コロナ 鹿児島県内で新たに9人感染 専門家は市中感染拡大に警戒
鹿児島県と鹿児島市は、新たに9人の新型コロナウイルスへの感染が確認されたと発表しました。これで県内で感染した人の数は、119人となりました。
鹿児島市のショーパブで発生したクラスター以外の感染者も、鹿児島市を中心に増えていて、専門家は市中感染の広がりを警戒しています。
県と鹿児島市は7日夕方、新たに10代から60代の男女9人の新型コロナへの感染が確認されたと発表しました。県内で感染した119人のうち、今月に入り県内で確認された感染者は108人で、このうち97人が鹿児島市のショーパブで発生したクラスター関連です。
クラスター以外での感染は、鹿児島市を中心に10人ほどとみられ、このうち半数は県外への移動や県外に住む人との接触が確認されておらず、感染経路が分かっていません。
感染症の専門医で済生会鹿児島病院の久保園高明院長は「どこで感染しているか分からないケースが続けば、市中感染が広がってしまう」と、警戒を強めています。
(久保園高明院長)「都会の方でも、感染経路不明者が少しずつ増えている。同じようなことが鹿児島で起こる。少しずつ増えると考えないといけない」
また、県内の感染者の8割を10代から40代が占めていて、県が確保している90床以上の病床には、すでにおよそ50人が入院しています。久保園院長は、「重症化しやすい高齢の感染者が増えれば、医療提供体制に影響が出る」と指摘します。
(久保園院長)「若い人から高齢者へ感染する状態に移行すると、病床が足りなくなる可能性もある。場合によってはICU(集中治療室)で、きちんと治療しないといけない。そういう高齢者が増えてきた場合は、危惧すべき状態になる」
感染を広げないためにも、一人一人がマスクの着用や手洗いを徹底するなど、予防を心がけることが大切です。