• 鹿児島発 コロナに負けない!
  • 新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの生活や経済に暗い影を落としています。一方で、先が見えない不安の中、この逆境に立ち向かう人たちがいます。このシリーズでは、新型コロナに負けまいと頑張っている人や企業などを紹介します。

新しい生活様式下でのコンサート

新型コロナへの感染防止の観点からコンサートの中止や延期などの影響が続いている音楽業界。
先日、感染予防対策を講じた上で初めてのクラシックコンサートが開かれました。濵田レポーターの報告です。

おととい、霧島市のみやまコンセールに演奏家の音楽が響き、およそ4か月ぶりとなるコンサートが開かれました。

新型コロナの影響で「3密」が懸念される屋内施設ではみやまコンセールでも霧島国際音楽祭が延期になるなど影響がでています。

(内真奈美事業課長)「コンサートホールにお客様がお見えにならないというのは、本当にさびしい。大変もどかしく、われわれ職員一同思っておりまして」

この日のコンサートも4月に開催予定でしたが、新型コロナの感染拡大で延期となり、感染予防対策を講じた上で開催が実現しました。

(濵田レポーター)「ホール内では、利用できない席や列に、このように印やテープを貼るなどして、人と人との距離を保てるように対策がとられています」

特に気を付けたのがソーシャルディスタンス。来場者同士の一定の距離を保つため770の座席のうち使用するのは3分の1以下の224席にまで減らしました。

(内事業課長)「安心して、安全に鑑賞していただけるというところは、これからは外せないと思いますので、万全を期すことに精神誠意込めていかないといけないかなと思います」


そして迎えた当日。
入場前の検温や。チケットのもぎり、プログラムの配布もスタッフとの接触を極力避けるため来場者自身で行うよう専用のスペースを設けて対応しました。

(来場者)「大変楽しみに参りました。(対策していると)安心して鑑賞できるかなという感じですよね」

また、スタッフはフェイスシールドにマスク着用、来場者にもマスクの着用や手の消毒を呼び掛けました。来場者、主催者が協力し合いながら新しい生活様式の中での演奏会が始まりました。

出演したのは、様々なコンクールで1位の受賞歴をもつ演奏家たちです。新型コロナの影響で演奏する場がなくなり、今回のコンサートを待ち望んでいました。

(梅﨑秀さん)「本当にわくわくして待っていました。ソーシャルディスタンスであったりとか、いろんなことを配慮していただいた中でやれるというのは、弾く方もすごく安心して弾けました」

(瀧本実里さん)「3か月以上舞台には全く立てない状態だった。生で、ピアノと一緒に演奏しているのを聞いていただけるというのは本当に貴重なことなんだなと、実感しながら演奏させていただいたという感じでしたね」

大きな拍手と笑顔で締めくくられたコンサート、会場から出てくる来場者からは笑顔があふれていました。

(来場者)「素晴らしかったです。久しぶりの生演奏でね。コロナで延期、中止、がたまって。(きょうは)大満足でした。」

(内事業課長)「新しい時代というか、次の時代でのお客様との音楽の関係をどうやってみやまが気づいていくかというところを、また改善して次のコンサートに生かしていきたい」

新型コロナの収束が見通せない中、音楽愛好家、演奏家、ホール関係者、それぞれの思いを乗せて、新しい形でのコンサートが第一歩を踏み出しました。