「ひっ迫というか現状は破綻」コロナ病床病床使用率70%超 医療現場は今
新型コロナの病床使用率のグラフです。先月中旬までは30パーセント台から40パーセント台で推移していましたが、12月20日に50パーセントを超え、今月1日には70パーセントを超えました。そして13日は77.4パーセントとなっています。
鹿児島県内に722ある病床は満床に近づきつつあり、医療現場は危機感を募らせています。
(鹿児島市立病院 籾博晃医師)「ひっ迫というか、患者の診療が止まっていたり、制限しないといけない現状は破綻してると思う」
鹿児島市立病院です。県が今月2日に病床確保フェーズを6段階で最高の「緊急II」に引き上げたのに伴い、コロナ病床をそれまでの倍近い42床に増やしましたが、13日時点で空きは15床しかなく、厳しい状況だといいます。
(籾博晃医師)「(第7波では1日に)5人~10人の患者数で推移していた。ただ、この波(第8波)がきてからは大体20人、多い時で30人超の入院患者数になってきてしまっているのが現状。急激にこの1月から増えている感じを、印象としては持っている」
そして、新型コロナだけでなく他の病気の入院・手術にも影響が出ていると話します。
(籾博晃医師)「例えば外科だったら手術を先送りにしたりとか、伸ばせる方には待っていただいて、やっときた順番でも、それをさらに先送りにしたりと、影響がかなり出ているところはある」
そして、先週、県内も3シーズンぶりに流行入りしたインフルエンザの患者も徐々に見られるようになっていて、今後、医療現場のさらなるひっ迫につながることを懸念しています。
(籾博晃医師)「(昨シーズンは)インフルエンザによる呼吸不全での入院は記憶になかった。今年はちょっと目につくなと思う。その分、数が増えてるからこその現象だろうと思う」
全国的に死者が増加し、高齢者への感染増加が要因と言われる中で、鹿児島市立病院でも高齢者の入院が増えているといいます。
高齢者への感染、そしてインフルエンザとの同時流行による医療ひっ迫を防ぐためにも、全ての年代の人が感染症対策を徹底することが必要と話します。
(籾博晃医師)「ワクチン接種もそうだが、手洗い・うがい・マスク着用はさらに気を遣い、個々が気を付けて対策を打つことが大事」