• きばっちょいもす
  • 恒例のシリーズ「きばっちょいもす」では、元気なお年寄りを紹介します。

きばっちょいもす 自転車整備のかたわら川の清掃30年 奄美市の81歳

奄美市名瀬石橋町にある上野サイクル。店主の上野幸男さん、81歳です。
自転車整備の仕事を始めたのは中学を卒業した1957年。その後、自分の店を開いておよそ60年、親子3代で通う客もいる、老舗の自転車屋さんです。

Q.若く見えますが、その理由は?
(上野さん)「やっぱり学生と触れ合いするから。小・中・高校生と話すから」

上野さんは、仕事の前に毎日欠かさず行っていることがあります。店の近くを流れる、新川のボランティア清掃。およそ1時間半かけて草を取り除きます。5月から10月にかけて常に伸び続けるため、毎日、手作業で取り続けています。

(上野さん)
「また生えるから、やりがいがあるんですよ。楽しいですよ」

新川の近くで生まれ育った上野さん。自分が小さい頃のきれいな川に戻したいと、30年前から清掃活動を始めました。この日は、古くからの友人2人が手伝いに来てくれました。

(友人たち)
「すごいですよね。朝早くから。それ1日2日じゃないから。だから長生きするよ。すばらしいと思うよ」

去年、上野さんが刈り取った雑草はゴミ袋50個以上。かなりの重労働ですが、まったく苦にならないと話します。

(上野さん)
「草刈る感触がいいんですよね。やっていると、いろいろな勉強ができるのですよ。ただの草取りですけど感触が良くて楽しくて。きれいになった後、仕事の合間に川に行って自分がやった後を見るのが楽しみ」

20年ほど前からこんな生き物との交流も始まりました。オオウナギです。餌をやると、上野さんを囲むように近づいてきました。

(上野さん)
「(私のことを)分かっていますね。31年間やっていますから。ウナギ、川の生物はほとんど自分の姿を見ていると思います」

毎日のボランティア清掃を欠かさない上野さん。いつまで続けるのかと尋ねると。

(上野さん)「足腰が立つまでは、新川に降りられるまではやります」

自転車整備の傍ら、上野さんはきょうも川の清掃を続けます。


2022年9月12日 「MBCニューズナウ」にて放送