5/24(日)10:15~世界一の九州が始まる!『美の伝統と革新 薩摩切子』

「美の伝統と革新 薩摩切子」

5/24(日)10:15~10:30

番組概要

鹿児島を代表する伝統工芸品の一つ、薩摩切子。その歴史は江戸時代の終盤にさかのぼる。当時の薩摩藩主・島津斉彬の命で海外との交易品として作られた。合わせガラスをカットすることで表現する美しいグラデーションは、薩摩切子の特長のひとつ。しかし斉彬の死後、次第に衰退し、西南戦争で技術の継承は完全に途絶えてしまう。

そんな薩摩切子を復活させようという機運が高まったのが、今から35年前。復元プロジェクトが立ち上がり、数少ない資料をもとに研究を重ね、1985年、ついに120年ぶりに薩摩切子が復活する。そのプロジェクトで中心的な役割を果たしたのが、薩摩切子作家の中根櫻龜(おうき)さんだ。

関西出身の中根さんは招かれてプロジェクトに参加、薩摩切子の復活に成功した後も「最新の薩摩切子」を作り続けている。
現代の薩摩切子を特徴づける技術が「二色被せ(にしょくぎせ)」だ。透明のガラスに2つの色を層にして重ねることで、色の“グラデーション”に加え、“変化”も表現することに成功した。

こうした最新の技術が伝統の技術と融合することで、表現の幅を得た薩摩切子。伝統工芸品でありながら、今、最先端の芸術としても注目を集めている。