1/6(日)10時~新窓をあけて九州『十六代への道』
十六代への道
2019年 1/6(日)10:00~10:15
400年余りの伝統を持つ、薩摩焼。
15代続く窯元を継ぐことになる若者。
その修行の日々を追いました。
薩摩焼の里、鹿児島・日置市美山。のどかな街中に、10軒余りの窯元が点在する。いま、ここで修行の日々を送っている若者がいる。大迫泰司さん(27)だ。父親は、一輝さん(58)。父は、もうひとつ名前を持っている。十五代沈壽官。薩摩焼を象徴する陶工の名前だ。泰司さんは、やがて十六代目として家を継ぐことになる。
いま学んでいるのは特殊な技でつくる、透かし彫りだ。師匠は沈壽官窯の陶工、染浦茂さん(70)。泰司さんは、最も難しいといわれる「総透かし」の作品に取り組む。全ての面に、ミリ単位で彫りを入れていく総透かしは、「触るのも怖い」といわれるほど。
師匠はいう、「僕の仕事は、技を伝えること。超えていってほしい」。厳しい指導は、十六代への期待でもある。
泰司さんは高校卒業後、京都で陶芸を学び、故郷に帰ってきた。「やめようと思ったが、僕にはできなかった。祖父も父もできなかった。なぜか?そこには、楽しみもあったのでは」。窯で働く25人の陶工たちを束ねる、十五代。仕事場で親子が顔を合わせることは、ほとんどないが、泰司さんにとってその背中は前より大きくなった。
作り始めてから、1か月。初めての総透かし彫りの作品が仕上がった─。