新窓をあけて九州「馬よ、再び」2/25(日)午前10時放送
失ってしまった「情熱」を取り戻そうと、家族や関係者の支 えで、新たなスタートを切った騎手が鹿児島にいる。久木山元和さん69歳。学生時代に馬術を始め、鹿児島県を代表する選手として国民体育大会で優勝するなど活躍。指導者としても優秀な選手を育て、まさに「馬一筋」の人生を送ってきた。
一見華やかにみえるが、落馬して体重500キロの馬に押しつぶされたり、競技中に脳梗塞に襲われたりするなど、波乱万丈の乗馬人生を送ってきた久木山さん。脳梗塞の影響で左半身に麻痺が残ってからは生きる目標も失い、精神不安定な状態が続くなか、妻の智子さんが「もう一度馬に乗れば、元気を取り戻せるのでは?」と考え、2017年に久木山さんを12年ぶりに馬に乗せた。
これをきっかけに、久木山さんは、2020年の東京パラリンピックにつながる障害者馬術の国際大会出場を目指すことにし、練習に励みだした。これまでは、意識もせずに出来たことが「出来ない」ところからスタートし、指導する立場から指導される立場へ…心の葛藤と大きな壁を、あの頃と同じ「情熱」で乗り越えようとしている久木山さんの姿を追った。