~世界自然遺産 奄美大島の生態系~
世界自然遺産の絶滅危惧種「リュウキュウアユ」
複雑な生態系を育むマングローブ原生林とそこに生きるリュウキュウアユ
2021年7月鹿児島県の奄美大島・徳之島は沖縄の西表島とともに「世界自然遺産」として登録されました。 日本では5つ目の登録、鹿児島県では屋久島に次ぎ2番目の登録となります。 世界に誇る宝となった奄美大島の自然。希少種を含む多様な生物が生息、生育していることが評価されました。
そのような奄美大島には、豊な生態系を誇るマングローブ原生林があります。“マングローブ”とは、海水と淡水が混じり合う場所に生息する樹木の総称です。そのマングローブに守れて幼魚時期を過ごす絶滅危惧種の“リュウキュウアユ”は、琉球列島固有の亜種で、海と川とを往き来する両側回遊魚として、100万年以上の期間にわたって琉球列島で独自の進化の道をたどってきましたが、現在は奄美大島にのみ生息しています(1989年環境省レッドデーターブックに登録)。沖縄本島では地域住民や研究者グループを中心に復活を目指した活動が進んでいますが、現在、奄美大島でも、その環境条件は十分とはいえません。リュウキュウアユの種を今後も安定的に保存していくためには、その生息場所を増やしていく必要があります。
そこで今回、日本財団 海と日本プロジェクトin鹿児島では、「われはうみの子探検隊~世界自然遺産 奄美大島の生態系~」と題して、鹿児島県内の小学5,6年生20名を対象に、世界自然遺産の豊な生態系を守るマングローブ原生林と、そこに生きる様々な生物について、絶滅危惧種であるリュウキュウアユを通じて学びを広げてもらう1泊2日のイベントを開催しました。