競泳・山口観弘選手が現役引退

競泳・平泳ぎの元世界記録保持者で志布志市出身の山口観弘選手が、現役引退を発表しました。

4月3日~10日まで東京で行われた競泳日本選手権。東京オリンピックの代表選考の舞台で「最後のレース」を迎えた、山口観弘選手26歳。志布志市出身の山口選手は5歳で水泳を始め、地元チーム・志布志DCに入るとめきめきと頭角を現し、各年代で頂点に立ちました。

その中でも、2012年・志布志高校3年の時に出場した「ぎふ清流国体」では、周囲の期待が高まるなか200m平泳ぎ決勝で2分7秒01と、当時の世界記録を更新し、一役注目の存在となりました。

高校卒業後は東洋大学に進学。日本代表にも選ばれスペインでの世界選手権に出場するなど、2020年の東京オリンピックを目指し、活躍を誓っていました。

 

しかし…栄光の影で、体は悲鳴を上げていました。
肩などのケガの影響で、この後は自身の記録とはほど遠い結果の日々が続きます。それでも練習環境を、東京から地元・志布志に戻すなど試行錯誤を繰り返し、東京オリンピック・かごしま国体を目標に活動。自身で「節目」を見据えていました。

日本選手権最終日、50メートル平泳ぎ予選に出場した山口選手。スタート後、予選突破を狙う泳ぎを見せるも決勝進出とはならず、この日が、現役最後のレースとなりました。


レース後、山口観弘選手は、
「最後まで自分のやり切るスタイルを貫けて良かった、ひとまずほっとしている。ジュニア時代は順風満帆に結果を出して来れたが、シニア(大学以降)になってからは結果が伴わず、今日まで来てしまった。両方経験出来たことで競技を通じて人の気持ちが分かる選手になれたと思う。今後はコーチをしていきたい。僕の経験が、指導者で生きてくると信じて…どういう風に導いていくのか、自分なりに研究しながら、苦しいこともあると思いますが、選手を第一に考えるコーチになりたいです。」と笑顔で話してくれました。

競技生活23年。
栄光も、どん底も経験した山口選手。
自身の経験を後輩たちに伝えようと、今後は指導者への一歩を踏み出します。

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