積み上げる。 「熱況!ユナイテッド」取材コラム(7)
鹿児島ユナイテッドFCの「いま」を、お伝えしている「熱況!ユナイテッド」。
J2に昇格した2019シーズンは、取材担当アナウンサーの松木圭介が感じたことを、取材日記・コラムとして、ホームページ上でご紹介します。
今年2月末に開幕した2019シーズンも、4月で11節までが終わり、1年の4分の1が過ぎた。
そこで、苦しい時期も、嬉しい試合もあったここまでを振り返ってもらおうと、5月4日の柏戦を前に金鍾成監督にインタビューをお願いした。
自分たちのテンポを、つかみかけてきたかなと思います。
新チームスタートからここまでを振り返って、いまのチームの姿を見て感じることを聞いたときの、金監督の答えだ。そして、少し考えたあとに…
「この状態を維持し、ゴールを奪う・守るというところにつなげていくことが、“いま”大事ですね。」と、深く頷いていた。
さらに続けた。
「結果としては、もう少し勝点を積んだ中で、内容を作って(高めて)いきたかったというのはある。ただ“いま”が遅いということではなく、これを続けてチームを作っていく。4分の1を過ぎたからではなく、いま何をすべきか?を意識していこうと思っています。」
「階段を踏み外して、結果を出すこともあるが…。」
その表現に、金監督のチーム作りの一端が見えた気がした。
地道な積み上げが大事なんですね…と、私が監督の話に納得したときに、金監督が話し始めたのだ。
「階段を踏み外して、そのときに良い結果を出すこともあると思うが、どこかでそこが“スキ”になり、崩れてしまうことがあると思うので、いまやるべきことを意識させるようにしている。」
チームスタートのときから大きくは変らぬ練習スタイルもそう…継続していくことが大事で、急ぐ必要はないということを貫いているんだなと、語気からも感じられた。でも、応援している立場としては、何が変ってきたのか?どこに感触を得ているのか?を具体的に知りたかった。
だからあえて、「積み上がって来たと感じるところもあるのではないですか?」と聞いた。
「切り替えの速さは…良くなってきた。」
ちょっと笑顔になりながら、少し高めの声で短く答えたところに、感触の度合いも感じられた。
「その動きを外から声を掛けたときには遅すぎる。ピッチの中でどう感じて、互いに関わっていけるかが大事ですよね。」と、次の一歩も考えている姿に、応援するこちらも勝ちを焦らずに、じっくりと、チームが高まっていくのを見守っていこうと、改めて思ったインタビューだった。
次の対戦相手は、1年でのJ1復帰を目指す、強豪の柏レイソル。
金監督が「1つのボールに対して、11人全てが関わりを持つ。その部分で自分たちの力が一番出せると思う。」と分析した試合。
個の力やスピードがある相手に対し、チームで挑み、勝点を奪えるか注目だ。
そのための積み上げは、この1週間もしっかりと続いていた。
【大型連休で、親子での練習観戦も多かったグラウンドで。 松木圭介】