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視覚障害者の野球 「グランドソフトボール」

(鹿児島 vs 福岡 の ライバル対決!)

ボールが転がる音を頼りに、「打つ」「捕る」をするグラウンドソフトボール。
選手達の感覚の鋭さ、そして競技への熱い思いを感じて来ました。

5月7・8日の2日間、鹿児島市で行われた「九州視覚障害者グランドソフトボール大会」は、10月に岩手県で行われる全国大会・全国障害者スポーツ大会の予選で、九州代表を決める戦いでした。

「グランドソフトボール」は、全盲と弱視の視覚障害がある方が出場できる競技で、1チームは10人。ルールは一般のソフトボール競技を基本にしています。視覚障害による接触を防ぐ為、内野グラウンドのひと周り外に、ランナー用のベースがある形で、外野までの距離は少し短めです。

ハンドボールと同じくらいの大きさのボールをバットで打ち、打った後は、ベースの横のコーチャーズボックスからの拍手や声の誘導で走塁します。
守りでは、手袋をした手で受けますが、全盲の選手がゴロの打球をキャッチした場合はアウトになるんです。
好守とも、「音」が頼りなのですが、まるで見えているかのように動く全盲の選手の皆さんに、日頃の練習の成果を感じました。


実は、鹿児島チームは去年のこの九州大会で優勝。九州代表として臨んだ全国障害者スポーツ大会で準優勝、全国2位に輝いたのです。さらに前を振り返っても準優勝経験がある「強豪チーム」なんです。
そして今年も、全国での活躍・初優勝を目指し九州予選に臨んだのです。

初戦の相手は、一昨年の全国大会優勝チーム・福岡県でした。関係者から九州大会の「事実上の決勝戦」とも声が上がった一戦・・・というのも福岡は、去年、鹿児島に敗れ全国への道・連覇を阻まれており、今年にかける思いは違いました。福岡は初回から打線が爆発!5連続安打に打者一巡の猛攻で、立ち上がりの鹿児島を攻め立て、一気に4点を奪います。

そのウラ、鹿児島が得点のチャンスを迎えたのですが、福岡がしっかり押さえると一気に流れを掴み、2回に3点・3回に5点・4回に3点と得点を重ねます。

鹿児島は相手投手を打てずに4回まで無得点。そこで試合時間が規定に達したため、ゲームが成立。結局15対0で福岡が勝利。鹿児島は2年連続の全国大会出場の目標を達成できませんでした。


試合後、勝利した福岡チームのキャッチャー・持丸選手は「ライバルであり仲間である鹿児島チームとの対戦が楽しみでした。去年負けた悔しさから、色々なことを分析して指示を出しました・・・そうしないと鹿児島チームには 勝てませんから」と弾んだ声で話してくれました。その表情・声で、この1勝の意味を感じることができました。

逆に鹿児島チームには「追われるチーム」の難しさが試合開始直後に出てしまったなと感じ、この悔しさを次に繋げてもらいたいと思いました。


このグランドソフトボールは、最近は競技者が少なくなって来ている現状もあるそうです。2020年に鹿児島で行われる全国障害者スポーツ大会に 向けメンバーはこれからにも期待を寄せています。
鹿児島チームの愛甲龍輔キャプテンは「視覚障害者しかできないこの種目には魅力があります。若い世代・・・とくに今の高校生の年代の皆さんには、まず知ってもらいたい」と、競技への認識が高まるところからのスタートだと話してくれました。

次のチャンスには、観戦に出掛けませんか?
基本的にはソフトボールや野球と同じ感覚で見ることができますし、打者が全盲か弱視かによって好守の作戦が変わるなど、競技の「奥深さ」に惹かれるはずです!

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