ヒーローファイル 第10回 ウエイトリフティング 下原玄大選手 (2月10日放送)

【ケガを向上につなげる 下原玄大選手】

薩摩川内市にある自動車整備工場、池畑モータース。その奥にある練習施設でトレーニングに励むウエイトリフティングの選手がいます。下原玄大選手。29歳の社会人選手です。下原選手は2017年の愛媛国体で、バーベルを一気に頭上に引き上げるスナッチ種目の77kg級で、準優勝に輝きました。

(下原選手)『愛媛国体では入賞できなければ「引退」という文字も頭に出ていたので、(選手人生を)賭けて出た結果だと思います。』

 

下原選手がウエイトリフティングを始めたのは高校1年生の頃。強い覚悟をもって愛媛国体に臨んだ理由は、それまでの競技人生にあります。

(下原選手)『記録が伸び悩んでいる状態がずっと続いていた感じでした。ようやく愛媛国体で新記録を出して、準優勝という形が出たので、そこで結果が出たことは良かったかなとは思います。』

愛媛国体では、自己ベストを更新しての準優勝でした。

(下原選手)『正直、自己ベストを出さないと上にいけないというのはわかっていたことなので、そこまで嬉しいとか感動とかはないですね。結果に満足していないからそういう答えになるんだと思いますけど。』

では、どんな成果なら自分を褒められるのか―

(下原選手)『かごしま国体優勝を狙っています。やっぱり最終目標であるかごしま国体で優勝しないと意味がないので、おごらずやっていきたいと考えています。』

 

そのストイックさは、師匠である元オリンピック選手の池畑大さんも認めるほどです。

(池畑さん)『一つ一つのトレーニングで集中力がある。ただ集中しすぎて、見ていて疲れないのかなと思うくらいです。一つずつのトレーニングに対する集中力の持っていきかたが上手いのかなと思っています。』

 

池畑さんの指導の下、さらに上を見て練習に取り組んだ下原選手。しかしおよそ1年前、練習中に思わぬアクシデントで肩にケガを負いました。

(下原選手)『ケガをしてしまうことは仕方がないことなんですけど、もっと注意してやるべきだったという思いはあります。今では、今ある身体でやっていくしかないという意識に変わりました。』

今もケガの痛みはあるそうですが、かごしま国体に向けて、前向きな気持ちで練習に取り組みます。

(下原選手)『ケガをして、普段できない練習ができたり、より身体の弱点だったり可動域だったり上げる姿勢だったり、身体の動かし方を日ごろから研究するようになりました。もっともっと頑張る必要があるなって、自分を鼓舞してやっています。』

鏡で入念にフォームをチェック

心身ともに自分を強く追い込む下原選手。頂点を手にするまで手を緩めることはありません。逆境にくじけることなく、上を見て練習に取り組みます。

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