「ヒーローファイル」第4回 フェンシング林祥蓮選手(10月28日放送)
【急成長する16歳の剣士 林祥蓮選手】
鹿児島高校体育館。いくつかの部活が練習をする中で、カンカンと変わった音が聞こえます。創部4年目のフェンシング部13人の部員たちです。この中で1年生ながら九州高校総体で準優勝、11月には世界大会を控える注目の成長株が、林祥蓮選手です。
10月3日、鹿児島のフェンシング界に嬉しい知らせが届きました。福井国体フェンシング少年男子で、県勢では国体20年ぶりの入賞。少年男子の部は3人チームの団体戦です。そのメンバーの一人だったのが林選手。少年男子は18歳以下で構成するチームですが、林選手はまだ16歳。将来が楽しみな選手です。
◆福井国体を振り返って―。
『入賞することが20年ぶりだったということで、チームのみんなでもずっと話をしていて、充実した大会だったなと思います。』
◆フェンシングを始めたきっかけは―。
『小学5年生のときに(ロンドン)オリンピックをやっていて、太田雄貴選手を見てかっこいいなと思ったのがきっかけです。』
高校生になって新しく身に着けた技が「振り込み」。この技は剣をしならせることによって、相手の背中を突く攻撃です。尊敬する太田選手が使いこなす姿に憧れ、練習したといいます。この技を得意技にして以来、林選手は順位をめきめきと伸ばし、17歳以下のカデという部門で、全国ランキング7位まで上りつめました。
◆全国7位について―。
『去年までだったらありえない数字で、高校に入ってからの自分の頑張りもあるのかなと思います。』
顧問の下野滋史先生は『林の魅力はスピードとやしなやかさだと思います。一瞬の爆発力でポイントを決めることができますし、やわらかい動きをすることで、例えば相手の背中の方にポイントを決めることもできます。』と話します。
選手たちは、練習試合でも手を合わせて挨拶を交わします。「武士道」のように、フェンシングには「騎士道」に裏打ちされた精神が背景にあるといわれます。林選手の姿は騎士そのもので、その姿は周囲を魅了します。
一方で、普段の林選手は意外な一面も―。
(下野先生)『周りの生徒にちょっかいを出されていたりして、人気者的なところもあります。自分がすごいんだというオーラを出さない。人間味のある子供なんで、周りの子供たちからも好かれる部分かなと思います。』
11月には、ハンガリーで行われるユーロサーキットという国際大会にも出場する林選手。活躍の舞台を世界に広げる高校1年生です。
◆将来の夢は―。
『オリンピックで金メダルを取れるように頑張ります。』