「生誕120年 東郷青児 展」 久留米市美術館

毎週金曜日にご紹介する県外のお出かけ情報。

今回は、福岡・久留米市美術館で開催中の

『生誕120年 東郷青児 展』(~2月4日(日)まで)について

学芸員の泉田佳代さんにうかがった。

 

≪望郷≫1959年 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館

東郷青児は、1897年に鹿児島に生まれ

 

幼少期に家族で東京に転居し、青山学院中学部に入学。

本名は鉄春だが、青山学院から名をとり、「青児」の雅号に

「赤とんぼ」の作曲で有名な山田耕作との交流やヨーロッパ留学中の芸術運動に影響をうけ、

独自の画風を追求。大正・昭和を代表する洋画家として活躍した。

その才能は油絵にとどまらず、本の装丁や分筆、デザインなど、多岐にわたった。

 

 

 

東郷の作品は、夢見るような美しい女性の画などで知られているが、

≪パラソルさせる女≫1916年 一般社団法人 陽山美術館

創作初期はピカソのような立体派や未来派の作品に影響を受けた画風だったそうだ。

しかし、ヨーロッパ留学中に「誰にでもわかる絵を描こう」と決意し、

帰国してからは抒情的な女性像を描く、俗に『東郷様式』とよばれる独自のスタイルを築いた。

展覧会では、東郷がどのようにして甘美な女性像を描くようになったのか、その過程をたどることができる。

また、10代の作品をはじめ、あまり注目されてこなかった1930年~40年代の作品を多く集めている。

すでに東郷知る人も新たな視点で楽しめる。

 

 

≪扇≫1934年 久留米市美術館

二科展初出品で二科賞を受賞した初期の代表作≪パラソルさせる女≫や、

1934年制作以来83年ぶりの一般公開となる≪扇≫など貴重な作品も展示される。

 

離れて眺めても美しいが、近づいて隅々まで見ていくと、模様の細かさや、

画材や技法の使い分けなどの発見もある。時代を超えて色褪せない、東郷青児の世界へ


≪サルタンバンク≫1926年 東京国立近代美術館

 

開館時間:10時~17時  休館日:毎週月曜日。

観覧料:一般1000円、65歳以上:700円、高・大学生:500円、中学生以下:無料

 

問い合わせ:0942-39-1131(久留米市美術館

 

1月19日11時40分ごろ放送「たんぽぽ倶楽部」 たんぽぽお出かけ隊 より

関連記事一覧