• 鹿児島発 コロナに負けない!
  • 新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの生活や経済に暗い影を落としています。一方で、先が見えない不安の中、この逆境に立ち向かう人たちがいます。このシリーズでは、新型コロナに負けまいと頑張っている人や企業などを紹介します。

役所の窓口 飛沫防止シートをアートでデコレーション

役所の窓口に登場したユニークな取り組みです。

(市民)「おもしろいなと。これだけでだいぶ気持ちが明るくなる」

「バーーン!」漫画の効果音を思わせるイラスト。人の頭から汗が噴き出す演出。実はこれ、鹿児島市役所の窓口に登場したイラストです。新型コロナウイルスの感染防止用に設置されたビニールシートに描かれています。

(レポーター)「イラストだけでなくこちらは、人気のゲームの雰囲気を現したものです。そのゲーム画面が思い浮かぶようなユニークなものとなっています」
右下には、ロールプレイングゲームでおなじみのコマンド画面も描く細かい演出も。

新型コロナの感染防止のため多くの公共施設や小売店などで見られるようになった飛まつ防止のビニールシート。感染防止のための距離が相手との“心の距離”も作ってしまうのでは?との思いから市がNPO法人「かごしまアートネットワーク」に委託し、実現しました。

(鹿児島市文化振興課湯浅秀隆課長)「コミュニケーションに寄り添うものとして設置しているので、市民にもこういうアートを楽しんでほしい」

イラストは全部で28枚。鹿児島市芸術文化協会が主催する春の新人賞で受賞歴のある30代から60代のアーティスト5人が制作しました。

(制作者の岩田壽秋さん)
「この手があったか!という感じだった。人と人とが感動したのを共有できるシートになってほしい」
(制作者の中原未央さん)
「遊び心を持ちながら、暗い気持ちをぱっとさせられることができたらと思う」

今回の取り組みはコロナの影響で展覧会や公募展が中止や延期になった作家にとっても、作品を発表できる機会にもなったといいます。

(制作者の桶田洋明さん)
「われわれの作品の発表の場がない、不特定の人に見てもらえるのは、ありがたいのとうれしく思った」


一方、奄美大島の宇検村役場には…猛毒を持つヘビ「ハブ」の革を貼ったアクリル板です。迫力いっぱいの演出に住民は。

(住民)「これすごいですね。だいばん(大きい)。本当にだいばんです。ユニークで良いんじゃないですか」

設置したのは地域おこし協力隊の桑野由里子さんです。無機質なアクリル板に少しでも奄美らしさを出そうと、数年前に知人からもらった全長およそ2メートルの加工されたハブ革を飾ることを思いつきました。

(桑野由里子さん)「(ハブは)自然の守り神と言われてますので。コロナの影響もありますので疫病退散とか。縁起が良いということで張らせていただいてます」

新型コロナで不安になったり沈みがちな気分をアイデアとユニークさでなごませたい。職員の思いが込められたビニールシートとアクリル板は、当分の間、設置されているということです。