• 鹿児島発 コロナに負けない!
  • 新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの生活や経済に暗い影を落としています。一方で、先が見えない不安の中、この逆境に立ち向かう人たちがいます。このシリーズでは、新型コロナに負けまいと頑張っている人や企業などを紹介します。

「密」「飛まつ」避け オンラインで楽器レッスン

演奏会やレッスンが激減する中、演奏家がオンラインで始めた新たな取り組みです。濵田レポーターの取材です。

日置市在住の演奏家・竹村由加里さん(38)です。
金管楽器のユーフォニアムの演奏家として県内外で演奏会に出演するほか、県内を中心に音楽科のある学校や部活動の指導、さらに中学生から大人までの個人レッスンを行っています。

しかし新型コロナウイルスの影響で今は演奏家として出演するイベントが軒並み中止となり、学校の休校などで指導者としての活動もできなくなっています。

(竹村さん)「3月、4月の本番(演奏会)がほぼ無くなって。(緊急事態宣言後は)レッスンもすべてゼロにして、出向く仕事が全部なくなった。知り合いの方とかは秋ぐらいまで見通しが立っていないとか、手帳が全部真っ白になったというかたも多くて」


音楽活動の再開には大きな壁があるといいます。
演奏会やレッスンを行う施設は音が漏れるのを防ぐため、「密閉」性が高く、演奏中は換気が行えません。
さらに参加人数によっては「密集」と「密接」となり、いわゆる「3密」の状態になってしまうのです。

特に管楽器や声楽の場合は、息を使うため「飛まつ」は避けられず、今は自宅でのレッスンも中止しています。

(竹村さん)「私たち管楽器はマスクはできないので。声楽も。誰かと一緒に同じ空間で演奏することはしばらくは無理だと思うが、みんなで頑張って避けるしかないなと思う」


「3密」や「飛まつ」を避ける形での音楽活動をできないのか?
そこで新たに始めたのはインターネットを使った「オンラインレッスン」でした。

この日は鹿児島大学の大学院生に初めてのオンラインレッスン。
タブレットのアプリを使って日置市と鹿児島市を結び、音の出し方やリズムの取り方などおよそ30分間指導しました。

(大学院生:奥恵美佳さん)「画面越しなので(いつものレッスンと)少し違いはありますけど、楽器を吹くモチベーションにもつながっているので、とても良いと思う」

さらに、受講生の演奏を録音して通信アプリで送ってもらい、それを聞いた後でアドバイスのメッセージや模範演奏の動画を送るなどの指導も行っています。

(竹村さん)「ただ上手くするためだけではなくて、その子どもたちの心の支えに音楽がなるように、サポートができるような体制を常にとっていきたい。オンラインだと少し壁を隔てて聞いている感じがするので、早く普通通りにできればいいなと思います」

学校再開の動きは出てきているものの、音楽活動やイベントの本格再開はまだ先です。そうした中でも音楽と向き合う喜びや楽しさを持ち続けてほしいと願って、竹村さんはオンラインでのレッスンを続けています。