知事選・走る候補 樋之口里花氏「県民の命・暮らしが一番大事」
鹿児島県知事選は、来月7日の投票日に向けて、候補者が走り回っています。
立候補しているのは、届け出順に新人で元自民党県議の米丸麻希子さん(49)、新人で元看護師の樋之口里花さん(52)、現職で2期目を目指す塩田康一さん(58)の3人で、いずれも無所属です。
ニューズナウでは、各候補者の選挙戦をお伝えしています。2回目は、樋之口里花さんです。
(出陣式第一声)
「知事として一番大事なのは、県民の代表だと、県民の命、暮らしが一番大事なんだという立場で、国にノーと言える力が一番必要だと今思っている。そうでなければ、今後さらに何が押し付けられるのか非常に心配。原発と軍事基地はいらない、この立場で精一杯選挙戦で訴えていきたいですし、私はやはり県民の声を聞く仕組み、県民投票条例を作って県民投票を行って、政治を進めていきたいと考えている」
樋之口里花さんは霧島市出身。野党共闘をめざす市民団体「ALLかごしまの会」の共同代表を務めています。
川内原発の運転延長や馬毛島の自衛隊基地整備に反対の立場で、告示日の出発式には反原発の市民団体や、自主的支援を決めた共産党の関係者らが応援に駆けつけました。
(ALLかごしまの会 山下晶子共同代表)
「原発も基地も誰も争点にしていない、県立体育館のことしか争点になっていなかった県知事選に、彼女は大きな大きな一石を投じてくれた」
(会社員・60代)
「自分の命を守るということを次の世代につないでいかないといけない。(樋之口候補は)そのことをしっかり言ってくれる人」
(樋之口里花候補)
「県内各地に軍事基地化が進む鹿児島県。こういうことが勝手に決められていいのでしょうか」
樋之口さんは、鹿児島市内をくまなく回りながら支持拡大を狙います。
Q.午前中まわってどうですか?
(樋之口里花候補)
「雨との戦い。(演説を)聞いてくださる人、手を振ってくれる人がいてうれしかった」
元看護師で3人の子どもを育てた樋之口さん。かつての同僚らが見守る中、子ども医療費の窓口無料化や給食費の無償化など、子育て支援の必要性を訴えました。
(樋之口里花候補)
「子どもの貧困率が全国でも非常に高い県。この鹿児島県でまだ子ども医業費が窓口で無料になっていない、全国で一番遅れている。非常に問題だと思っているし、恥ずかしいことだと思っている。本気の子育て支援こそ本当に必要」
最前列で見守っていたのは夫の洋一さんです。病院の院長を務めながら毎日、掃除や洗濯をこなして樋之口さんをサポートしています。
(夫・洋一さん)
「家族会議を開いて『大丈夫か?やれるのか?』と。でも本人が『みんなに推されて出馬するので頑張りたい』と決意した。家族みんなで応援しようと。人格者で尊敬できる人。あの人が知事になったら、鹿児島県政は絶対に今よりも良くなると思う」
樋之口さんの趣味はピアノ。元同僚の医師は「ピアノの旋律のように仕事をこなす」と処理能力の高さを評価します。
(元同僚・60代)
「頭の回転が早くてテキパキ。知事になってもテキパキやってくれるのではと期待している」
樋之口さんは24日、種子島を訪れました。
(樋之口里花候補)
「馬毛島を軍事基地化させない、この思いを私に託していただきたい」
支援者らと開いた集会で樋之口さんは、計画に反対する住民の切実な声に耳を傾け、思いを新たにしたといいます。
(西之表市民)
「日本はアメリカの植民地ではない。日本は自立して外交戦略を選挙の中でも訴えてほしい」
(樋之口里花候補)
「政府、国に対して県知事が何も言わなくなれば、鹿児島はどうなってしまうのか。今回、知事を代えるしかないと強く思う」
(樋之口里花候補)
「(有権者に)伝えれば伝えるほど、(自分の考えを)届けられる。街頭に出て、自分の政策を一生懸命訴えることに力を入れたい」
賛否が分かれる問題は「県民投票を通じて県民の声を聞いて決めるべき」と訴える樋之口さん。趣味のピアノはしばらく封印して、初当選を目指します。