長島町に移住した高校生白鳥優季さん
きょうは、東京から長島町に移住し、地域を元気にしている高校生・白鳥優季さんをご紹介します。
明るい笑顔がトレードマークの白鳥優季さん17才。
去年10月、東京から長島町に移住し1次産業のアルバイトをしています。
(白鳥優季さん)「東京にはないものがあるし、東京にはあるものがないので全部違う。ワカメとメカブが同じことを知らなかった、いろいろ初めて知っておもしろい」
人口およそ1万人の長島町。
高齢化率はおよそ33%で、3人に1人は65歳以上です。
水産業の現場では、人手不足と高齢化が課題ですが、白鳥さんは周りを元気にしています。
(菊栄丸水産 赤﨑隆幸社長)「荷物を運ぶときに、優季ちゃんは明るくて活発だからおじいちゃんおばあちゃんがお願いするとすぐに動いてくれてさらに溶け込んでくれる」
17歳の白鳥さんが移住した長島町は、2007年3月に唯一の高校、長島高校が閉校。島内に高校はありません。
しかし、白鳥さんは、通信制高校「N高校」の3年生。
町役場内に開設された教育拠点「長島大陸Nセンター」でタブレットを使って授業を受けています。
東京から長島へ移住してきた理由は。
(白鳥優季さん)「(東京の高校は)往復が4時間程で乗換えが多かった、バスと電車、電車、電車。家出るときも面倒くさくて遅刻魔になっていった」
このままではいけないと母親の知人が長島にいた縁で家族で移住を決意。
現在は、午前中にアルバイト、午後は勉強という生活を送っています。
(白鳥優季さん)「こっちの子たちがゲームセンターや映画館、ボウリングにあこがれるように東京の子たちはきれいな海や空気にあこがれる人が多い」
この日の白鳥さんは、長靴を履いて麦わら帽子姿。
長島町特産の赤土バレイショの収穫作業です。
機械で掘り起こされたジャガイモの形を見分け、カゴに入れていきます。
(竹山治明さん)「よく動くなと思う、よく笑うし、地元の子たちも言われないとしないし、貴重な人」
初めての現場でも周りの人たちと話が弾みます。
「高校3年生です。高校3年生っていう歌は知らないでしょ知らないですそんな歌があるのよ」
この日の夕方。白鳥さんは、長島町で地域おこし協力隊を務める母親の薫さん、中学3年生の弟・聖君と一緒に夕飯の支度です。
「今、カリカリじゃがチーズを作っています」
食卓に並んだのはとれたてのジャガイモやアラカブなど長島の食材を使った料理です。
(母・薫さん)「すごい進歩した、今度はジャガイモのレパートリーが加わった、バイト先のものが増えていく、ワカメにヒオウギ貝に。」
移住して分かった長島のあたたかさを発信しようと、白鳥さんは町の特産品が付いた季刊誌「長島大陸食べる通信」で、島で体験したことを漫画にしています。
一緒に働く人生の大先輩を“お姉さんたち”と表現。
うまくできない白鳥さんに優しく接してくれた感動が描かれています。
(白鳥優季さん)「長島のことを発信していって知名度を高めて戻ってくる人や入ってくる人を増やしていけたらな」
UターンやIターンを考える人に、島の空気を伝えたいという白鳥さん。
長島に流れる時間を楽しみながら地域の発信を続けています。