パラグアイから鹿児島へ移住 サナブリアディエゴさん
きょうは、祖国のパラグアイから鹿児島に移住したサナブリアディエゴさんです。
国際交流を進め、鹿児島の魅力を世界へ発信しようと頑張っています。
スペイン語を教えているのは、鹿児島市に住むパラグアイ人、サナブリアディエゴさん(37)です。
南アメリカの中央部に位置するパラグアイから13年前におよそ1万9000キロ離れた鹿児島に移り住みました。
(サナブリアディエゴさん)「パラグアイで”鹿児島の方”と出会い、その後私は鹿児島に遊びに来たというのが最初」
サナブリアさんは、パラグアイで出会った”鹿児島の方”智子さんと結婚し現在、2人の子どもと4人家族です。
移住して10年間は、IT関連企業の営業や回線工事などの仕事をしていましたが、2年前、仲間と中南米文化を発信するNPO法人イスパムンドを立ち上げました。
イスパムンドでは定期的にスペイン語講座を開いています。この日の体験レッスンは高校生から社会人が参加しました。初参加の人もいて、緊張をジョークで和らげます。
(サナブリアディエゴさん)「スペイン語と日本語と比べて愛情表現の言葉がとても多い、シエロは空の意味なんです。私の空って聞くと日本語だと「えっ?」て思われるかもしれないけど、ミシエロ(私の空)は(相手が)「おっ」て喜ぶ、使ってみて!(笑)」
「(先生が)明るい人で良かったです」
「キャビンアテンダントになりたくて9月にスペインに留学を考えている。先生は明るくて冗談がお好きな人だなと」
ほかに中南米のダンス、サルサの教室も。
中南米の文化を伝えるサナブリアさんですが、今力を入れているのは、鹿児島の情報発信です。
「今は私たちの習慣や文化を鹿児島の人に伝えるという活動だが、鹿児島の素晴らしさを世界に発信するというプロジェクトもスタートしています」
サナブリアさんが始めた新しいプロジェクト。それは、鹿児島を5か国語で世界に発信するホームページ「とどなび」です。
「とどなびというサイト、鹿児島のインフォメーションサイト、鹿児島の情報を多言語で発信するというプロジェクトです」
「トド」は、スペイン語で「全て」という意味で、とどなびには、鹿児島の全ての魅力を全世界に発信したいという思いがこめられています。
日本語、英語、スペイン語、中国語、韓国語の5か国語に対応。鹿児島の特産品や飲食店、体験型レジャーなどさまざまなジャンルを紹介しています。
とどなびを運営するために、今年、合同会社トドグローバルコーポレーションを設立。サナブリアさんの他にアルゼンチン人1人と日本人のスタッフ2人が働いています。
(東聡美さん)「鹿児島を世界に広めるということに、次から次にどんどんアイディアが出てくるのですごいなと思う」
サナブリアさんは、鹿児島の伝統行事にも興味を持っています。
去年は、川内大綱引を撮影・編集した動画を作り、県が開いた県内の外国人を対象にした鹿児島の動画コンテストで2位の優秀賞に輝きました。
「朝6時から夜の10時までの行事なので10時半ごろまで撮影して、情報収集してというのが少し大変だったが、迫力がすごかった。
(鹿児島は)住みやすい、間違いない、人が優しい。誰が来ても鹿児島のことを好きになって(心に)残ると思うぐらいいい場所です」
サナブリアさんは、国際的にはまだ認知度が高いとはいえない鹿児島を、もっと世界に広めたいと考えています。
「今鹿児島も外国人の方が増えてきていて、これからも増える予定なので、とどなびをどんどん充実させて鹿児島に来たら困らない楽しめる、という環境を作っていきたいと思います」
鹿児島を「世界を魅了する観光地」に。サナブリアさんの世界への発信は続きます。