南九州市でまちおこし 頴娃おこそ会 福澤知香さん
南九州市でまちおこしの活動を行う頴娃おこそ会の福澤知香さんの活動を取り上げます。
南九州市頴娃町。茶畑が広がる奥には開聞岳を望むことができます。頴娃町がこれまで抱えていた課題とは・・・
「指宿や知覧までは来てるんだけど頴娃には来たことがなかったという人の話を聞くので今までは通過点だったのかなと思う」
こう話すのは、NPO法人頴娃おこそ会の福澤知香さん(31)です。
頴娃を人の集まる場所にしようと奮闘しています。
福澤さんが所属する頴娃おこそ会はまちおこしを進めるNPOとして2007年に設立されました。
合言葉は、「地域総力戦によるまちおこし」。
番所鼻公園の敷地内に幸せの鐘をつけたほか、行政と一緒に釜蓋神社周辺の整備をおこない、目立った観光スポットがなかった頴娃地域を盛り上げてきました。
福澤さんは、2015年、母親の地元、頴娃に移住し、頴娃おこそ会に入りました。
過去に観光業界で働いていた経験を生かし、観光プロジェクトを担当しています。
福澤さんが注目したのは、地域に残っている空き家や古民家です。
「この2,3年頴娃を目的に来てくれている人も増えているので」
「今私が頑張っているのが(古民家の)改装が終わったあといかに活用して人に利用してもらうか、人が集まる場所になるかという運営部分に特に力を入れている」
そのひとつが、石垣商店街。昭和40年代までおよそ100店舗の店が営業していましたが、現在は、10店舗を下回っています。
福澤さんら頴娃おこそ会と住民は、地域を盛り上げる拠点にしようと築100年の元塩屋を改修しました。
福澤さんは、住民や外から来た人が集い、立ち寄れる場所として地域に昔からあるものを活用する可能性を広げています。
これまでも先月までの1年間自宅の一部を改修し、民泊施設「福のや、」を運営してきました。
「田舎のおばあちゃんの家」のようなこじんまりした宿でしたが、およそ300人が利用しました。
手応えを感じた福澤さんがいま挑戦しているのは、空き家をまるまる1軒使った宿づくりです。
古民家の改装のため、地域の人たちと準備を進めています。
「壁もまだ今から塗ったり、照明も地元の高校生に設置してもらったり、これから宿にしていろんな人に泊まりに来てもらうための準備をしている」
福澤さんが目指すのは、滞在する人と地域の住民が境目なく、頴娃の空気に溶け込むような宿です。
「これからやろうとしている宿とかを使って暮らすように住民目線で頴娃を楽しんでもらえるようになったら頴娃の魅力が伝わるのかなと思っている」
「宿の周りを散歩して地域の人と話したり、地域のお店で買い物をして交流が楽しめる宿になったらいい」
頴娃を盛り上げるため、福澤さんの挑戦は始まったばかりです。