志布志市 カフェでまちおこし
今月、オープンしたカフェ。そこにはふるさとを元気にしたいとの思いが込められています。
志布志市に今月、オープンした「うらCAFE」。
90年あまり前に建てられた古民家を活用したカフェの中は、レトロで落ち着いた雰囲気です。
そして、出されているのは、志布志市で生産されたお茶を使ったかき氷や飲み物など、地元・志布志市にこだわったメニューです。
このカフェをオープンさせたのは、岡田琢也さん(50)。本業は美容師です。
志布志市出身の岡田さんは、地元の志布志市や隣接する宮崎の串間市で美容院を営む経験を少しでも地元の活性化に役立てたいと、今回、カフェをオープンさせました。
(岡田琢也さん)「美容師としてのセンスというとおこがましいがそういったものを何か志布志に地域を盛り上げられるものに役立てられないかなと小さな休憩処を設けさせていただきました」
岡田さんは、空き家になっていた古民家をカフェにするため、美容院のスタッフも巻き込んで掃除や庭の草取りなどの準備を進めてきました。
(上田望美さん)「(カフェは)自分自身も個人的にやりたかった部分でもあったので楽しみでわくわくしました」
カフェの中には、アイロンやそろばんなど、古い道具が飾られていますが、いずれも岡田さんの挑戦を応援してくれた美容院のお客さんからもらったものです。
この「うらCAFE」は、志布志市の麓地区・武家屋敷群の一角にあります。
(岡田さん)「知覧や蒲生町は江戸時代の住宅街ということできれいに区画整備されてまっすぐだが、地形を利用した武家屋敷ということでぐにゃぐにゃ(カーブがあったり)志布志独特の中世のころからの武家屋敷」
志布志麓の武家屋敷は、中世の志布志城の周辺にあり、かつては日向との国境に位置する行政拠点として栄えました。
地区にはきれいな湧き水がいくつもあったり、国の文化財にも指定された枯山水の庭園もあります。こうした魅力がありながらも、県内のほかの武家屋敷と比べて観光地としての整備が決して十分ではなかったと岡田さんは話します。
(岡田琢也さん)「志布志の武家屋敷地区はすごくいいものを持っていながらたくさんの人が来るがどこも寄るところがない、休憩するところがないというのは前から聞いていて、誰かするのかなという部分で月日が流れてそうしたら武家屋敷群が朽ちてきた」
元気を失っていたこの地区に新たな拠点を作り、多くの人を呼び込みたいとオープンしたのがカフェだったのです。
(天水栄子さん)「あそこらへんにひとつ何かあってほしかったここまでに来る道のりで」
(岡田さん)「誰も言わなければどんどん空き家になって空き地になってアパートが建って・・・新しい家じゃなくて保存しないといけない」
カフェのオープンからまだ半月ほどですが、観光客の反応は上々です。
「大阪から船に乗って来た。自然の中に史跡などが残っているので興味深かった。結構足が疲れちゃってすごいいいタイミングにいいお店があった」
また、志布志市民からも今後への期待の声が聞かれます。
「志布志の武家屋敷のところなので全国から皆さんに志布志にも武家屋敷があるんだということを認知してもらえたらありがたい」
岡田さんは今後、カフェで地産地消のランチの提供や、周辺の散策マップの配布、それに観光客が着物姿で散策できるサービスなど、さまざまな取り組みを始めたいと考えています。
(岡田さん)「志布志もさんふらわあが新しくなり、高速道路も新しくできる。何もすることがない通過点という形になるとすごくつまらないと思うのでここを目的にあるいは、近くによったときにあそこ絶対寄りたいと志布志に来てもらって盛り上がって、楽しい町、志布志に住んでることを誇りに思えるような町にできれば」
ふるさとの魅力を改めて掘り起こし、多くの人が集まる場所にしたいという岡田さんの挑戦は、これから本番を迎えます。
うらCAFEは、志布志小学校のすぐ近くにあります。
営業時間は、正午から午後4時まで。定休日は毎週月曜日と第2火曜日、第3日曜日です。