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明治元年12月21日 大久保利通ら「版籍奉還」検討

新政府では大久保利通らが版籍奉還を実行に移すため検討を進めています。「版籍奉還」は、諸藩が治めている領地を天皇に返すものです。
実現されれば、新政府が国内全てを領地とすることになり、統治が一気に進む上、新政府の財源確保につながります。

しかし、領地を手放すことは、諸藩の反発も予想され岩倉具視は版籍奉還を断行するかどうかを先送りにしています。

また、版籍奉還のやり方についても新政府内でも意見の相違があり、大久保利通ら薩摩側は、●「諸藩が領地を天皇に返したあと、改めて藩主へ土地を再交付する」●「その中から10分の1を返上させる」という比較的ゆるやかな案を打ち出しています。一方で木戸孝允ら長州側は●「土地の再交付はしない」という思い切った案です。

関係者によりますと、薩摩・長州・土佐に肥前を加えた4藩が来月にも朝廷に版籍奉還を申し出る方向で調整が進められていますが、「再交付」の取り扱いについては結論が出ていないということです。

大久保はあす、行幸から京都に戻る予定で、来週にも大阪で小松帯刀らと会い、版籍奉還の進め方について協議する予定です。