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明治元年12月19日 箱館府判事の役職解く

きょうは明治元(1868)年12月19日です。箱館府判事で、8月の海難事故から行方不明になっている薩摩藩の井上石見について、新政府は役職を解く決定を出しました。

井上石見は、諏訪神社の神職の子として鹿児島城下に生まれました。6年前の文久2年には、島津久光の上洛に従い京都に行き、国事掛として尊王派の公家らとの調整や、情報収集にあたりました。

特に岩倉具視と親しく、岩倉と薩摩藩との連絡役を務め、新政府では、西郷、大久保と同じく参与に任命されました。

井上は、今年4月箱館府判事に就任していましたが、8月、日本人、アイヌ民族、ロシア人が暮らす樺太などを調査したあと、船で遭難し、行方が分からなくなっています。
遭難した場所は、択捉沖か樺太沖とみられています。

遭難からおよそ4か月がたったきょう、新政府は井上について、箱館府判事の役職を解く決定をしました。

箱館府判事は、府のナンバー2にあたる要職で、薩摩藩だけでなく新政府としても手痛い人材の喪失です。