明治元年12月11日 欧米「局外中立」の是非協議
きょうは明治元(1868)年12月11日です。新政府と旧幕府軍の戦いで局外中立を決めている欧米主要国が、会談を開き、中立を撤回するかどうか話し合いました。
新政府と旧幕府軍との間で局外中立の立場を維持する欧米の主要国に対し、岩倉具視らは、今月3日、中立の撤廃を求めています。
欧米主要国はきょう横浜で会談し、対応を協議しましたが、イギリスとオランダが局外中立の「即時撤廃」を主張したのに対し、イタリアと北ドイツ連邦は「撤廃延期」を、アメリカとフランスは蝦夷の情勢が分かるまで「撤廃の猶予」を主張し、協議はまとまらなかったということです。
ところで、京都へ戻る途中の天皇一行に随行する大久保利通は、松並木の間から富士山が左手に見える景勝地、駿河・吉原宿に到着しました。1年ほど前、大久保は王政復古の大号令を決行し、徳川慶喜の出方をにらみながら難しい対応を迫られていました。
大久保は自分が天皇に随行して富士山を眺められるとは、「時運の変遷、実に意外」と、感慨にふけったということです。