• 幕末維新ニュース
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慶応4年3月9日 山岡鉄舟 西郷と会談

旧幕府の使者、山岡鉄舟はきょう、駿府で西郷隆盛と会談しました。江戸総攻撃の回避と、徳川慶喜の助命の道を探る幕府側は、旧幕臣の山岡鉄舟を使者として駿府に送りました。敵対する新政府軍がいる中、東海道を堂々と通ってきた鉄舟は、きょう、駿府城下に滞在する西郷隆盛を直接訪ね会談を実現しました。会談の中で鉄舟は、主の慶喜に朝廷に背く意志はないと説明しました。

いっぽう西郷は、すでに甲州で旧幕府軍と新政府軍が戦端を開き、説明は事実と異なると指摘しました。

鉄舟は甲州の戦いについて、「脱走兵がしたこと」と説明し、あくまで戦争を欲する新政府の姿勢を批判しました。西郷は、和睦の条件を提示します。内容は、「江戸城を明け渡すこと」や「兵器や軍艦を全て差し出すこと」さらに「慶喜の身柄を備前藩に預けること」など7項目にわたります。

これに対し山岡は、慶喜を備前藩に預けるという項目だけは頑なに拒みました。そして、これは朝廷の命令であると強く迫る西郷に対して、「島津公が朝敵の汚名を被れば、あなたは主君が備前にお預けとなっても平然としていられるだろうか」と訴えました。西郷は思い直して慶喜の身の安全を守ることを約束しました。